筆者がFP(ファイナンシャル・プランナー)として住宅ローンの相談を受けていると一番聞かれるのが「借り換えのおすすめ住宅ローン」と言っても過言ではありません。この疑問への回答として、FP(ファイナンシャル・プランナー)が自信を持っておすすめする「借り換え」向きの住宅ローンをランキング形式で紹介します。
- 住宅ローンの「金利タイプ」によって、おすすめできる住宅ローンは変わってくるため、「金利タイプ」ごとに借り換えでおすすめの住宅ローンを紹介します。
- 住宅ローンの金利は常に更新されるため、常に最新情報にランキングを更新しています。
いきなり、住宅ローンランキングの結果を見たい方は
FPの私が「借り換え」で絶対におすすめしたい住宅ローン借り換えランキング
ランキングを見る前に
住宅ローン「借り換え」ランキングを見る前に決めておかなければならないものが
です。
借り換えをする方のほとんどは
を目的として借り換えをしますが
「当初固定金利の当初期間が終了し、金利が上昇したからもう一度、当初固定金利に借り換える」
という考え方もあるのです。
だからこそ、「正しい住宅ローン借り換えの金利タイプ選び」が重要になるのです。
住宅ローンの金利タイプの金利設定は、金利の高い順に
となっています。
「全期間固定金利」から「変動金利」に借り換えるのであれば
「大幅に金利低下 → 借り換えメリットが大きい」反面、「今後の金利上昇リスクが増える」というリスクが発生してしまうのです。
逆に
「変動金利」から「全期間固定金利」に借り換えるのであれば
「金利は上昇する可能性がある → 借り換えメリットはマイナスになる(今よりも返済負担が増える)」反面、「今後の金利上昇リスクは回避できる」というメリットが出てきます。
「どの金利タイプから、どの金利タイプに借り換えをするのか?」
は、住宅ローンの借り換えによるメリットデメリットを左右する重要なポイントなのです。
住宅金融支援機構の調査データでは、借り換えによる金利タイプの変化は下記のようになっています。
借り換えによる金利タイプの変化(n=1360)
調査時期:2017年4月
調査数:1360件
出典:住宅金融支援機構
多いパターンとしては
2位:変動金利から変動金利への借り換え:15.9%
3位:全期間固定金利から全期間固定金利への借り換え:9.6%
となっています。「同じ金利タイプへの借り換え」が多いことがわかります。
という質問の回答として「借り換え後の金利タイプの選び方」について解説します。
現在「変動金利」を選択している方におすすめしたい金利タイプ
が重要になってきます。新規借入時の状況と現在の状況では、あなたの「金利上昇リスク」への考え方は変わっている可能性があるのです。
「金利上昇リスク」は低いと考える方
- 「変動金利」がおすすめ
「金利上昇リスク」は高いと考える方
- 残りの返済期間が短い方(15年未満) → 「当初固定金利」がおすすめ
- 残りの返済期間が長い方(15年以上) → 「全期間固定金利」がおすすめ
なぜ、こう考えるかというと
「金利上昇リスクは低い」と考えているのであれば、一番低金利の「変動金利」へ借り換える形で問題ありません。借り換えメリットが一番大きいからです。
「金利上昇リスクが高い」「以前よりも高くなっている」と考えているのであれば、金利上昇リスクを回避できる固定金利を選択すべきです。
ただし、固定金利にも「当初固定金利」と「全期間固定金利」があります。
例えば、住宅ローンの返済期間が残り12年しかないのであれば
全期間固定金利よりも金利が低金利の当初10年固定金利を選んでおけば十分金利上昇リスクに対応できることになります。仮に固定期間終了後の金利が上昇したとしても、残り2年ですから、元本も数百万円になっていて、金利上昇による返済額の上昇も、微々たるものになっているからです。
一方、住宅ローンの返済期間が残り23年あるというのであれば
当初10年固定金利を選んでしまうと、また残りの13年間は「金利上昇リスク」が発生してしまうことになります。もう一度、この時点で借り換えを実行するという手もありますが、また借り換えするときに諸費用が発生してしまいまいますし、金利が上昇している可能性鵜もうので、残りの返済期間が長い場合には「全期間固定金利」に借り換えることをおすすめします。
現在「当初固定金利」を選択している方におすすめしたい金利タイプ
「当初固定金利」を選んでいる方の場合
- 「当初固定期間中なのか?」
- 「当初固定期間終了後なのか?」
でおすすめできる金利タイプが変わってきます。
「当初固定金利」の当初固定期間中の方
- 「変動金利」がおすすめ
「当初固定金利」の当初固定終了後の方
- 新規借入時と同じように金利タイプをゼロベースで検討すれば良い
なぜ、こう考えるかというと
当初固定金利の場合、当初固定期間中は十分低金利が設定されていて、当初期間終了後に金利が上昇するのが一般的です。
すでに低金利の当初固定期間中に借り換えを希望しているのであれば、今よりも低金利にできる金利タイプは「変動金利」「2年、3年、5年の短期の当初固定金利」に絞られるのです。
金利が固定されているというメリットを自ら捨てて、借り換えを検討するのですから、一番低金利になる(借り換えメリットが大きい)「変動金利」がおすすめなのです。
一方、当初期間終了後は、ほとんどの金利タイプが当初期間よりも当初期間終了後に金利が上昇する仕組みになっているため、借り換えはすべきです。
借り換え先の金利タイプというのは、新規借入時と同じように考えれば良いのです。
- 金利上昇の可能性は低い、返済負担額を減らしたい → 「変動金利」
- 金利上昇の可能性は高い、金利上昇リスクを回避したい → 「全期間固定金利」
- 数年間は金利上昇リスクを回避したい、返済負担額もやや減らしたい → 「当初固定金利」
と、ゼロベースで金利タイプを選びましょう。
現在「全期間固定金利」を選択している方におすすめしたい金利タイプ
「金利上昇リスク」についてどう考えるのか?
が重要になってきます。新規借入時の状況と現在の状況では、あなたの「金利上昇リスク」への考え方は変わっている可能性があるのです。
「金利上昇リスク」は低くなったと考える方
- 「変動金利」がおすすめ
「金利上昇リスク」は高いままと考える方
- 「全期間固定金利」がおすすめ
- 残りの返済期間が短い方(15年未満) → 「当初固定金利」がおすすめ
なぜ、こう考えるかというと
新規借入時は「金利上昇が不安だから、全期間固定金利にするか。」と思っていても「数年経過しても、金利は上昇するどころか下がっている。もう上がらないのでは?」と考え直す方もいるのです。
この場合は、低金利の「変動金利」に借り換えれば、全期間固定金利から変動金利は金利差が大きいため、大きな借り換えメリットを得ることができます。
一方、「金利上昇は高いままだ。」と考えるのであれば、金利上昇リスクが回避できる全期間固定金利に借り換えれば、今と同じで金利上昇リスクがない状態で借り換えができます。
全期間固定金利の代表格「フラット35」は「フラット35からフラット35への借り換えも可能」です。同じ銀行でも、「フラット35からフラット35への借り換え」ができます。フラット35の金利も、年々低下しているので、十分に借り換えメリットが出る可能性があります。
「金利上昇は高いままだ。」と考える場合でも、借り換えをした方が良いケースもあります。それは残りの返済期間が15年を切っているケースです。
住宅ローンのベースの金利設定は
- 全期間固定金利 > 当初固定金利
ですから、残りの返済期間が15年を切っているのであれば、ベースの金利が低金利の「当初10年固定金利」に借り換えた方が諸費用を考えても、お得になる可能性が出てきます。当然、残りの返済期間が11年で「当初10年固定金利」を選択すれば、金利上昇リスクは残りの1年しかなく、仮に金利が上昇したとしても、残債が残りわずかな状態ですので、数万円のダメージしかないはずです。
また、フラット35を利用している方は、残りの返済期間が20年を切っているのであれば、フラット35を20年以下のプランに切り替えることができます。フラット35の金利は20年以上と20年未満では大きく金利が変わってくるので「フラット35(20年以上のプラン)からフラット35(20年未満のプラン)への借り換え」を検討すべきです。
- 借り換え諸費用が安いけど、金利が高い住宅ローン
- 借り換え諸費用が高いけど、金利が低い住宅ローン
では「どちらが借り換えメリットが大きいのか?」単純に比較することができないのです。
このケースでは
ことが重要になります。
「借り換えメリット」を計算した上で
- 金利上昇リスクが
- 付加価値サービス
- 疾病保障無料付帯の有無
・・・
など、ほかの要素を考慮して、借り換え先の住宅ローンを比較すれば良いのです。
当サイトの「借り換えメリットシミュレーション」では「借り換えメリット」が自動的に計算されて、ランキング形式で、借り換えメリットが大きい順に住宅ローンが表示されます。ぜひ、参考にしてください。
多くのネット銀行や流通系銀行(イオン銀行)は、メガバンクや都市銀行とは異なり
を採用しています。
そのため、本音で言えば
と思っているのです。
「事務手数料で稼ごう!」と思ったら
- 貸し倒れリスクが低い(すでに返済実績があるため)
- 申込から融資実行の割合が高い(すでに他の銀行が貸しているため、審査落ちになりにくい。)
という「借り換え」の方が「新規借入」よりもうれしいのです。
結果として
ネット銀行は「借り換え」専用の優遇金利プランを用意している銀行が多い
のです。
FPの私が「借り換え」で絶対におすすめしたい住宅ローン借り換えランキング
FPの私が「借り換え」で絶対におすすめしたい住宅ローン「当初固定金利」ランキング
ランキングの解説
借り換え先で「当初固定金利(※当初10年固定金利を例に説明)」の住宅ローンを選ぶ場合には
を重視ししましょう。
新規借入時であれば「当初10年間の金利が低金利でも、当初期間終了後の金利が高金利だと総返済額が高くなってしまう」というリスクがあるため、「当初10年間の当初固定期間の金利が低金利」というだけではダメだったのですが・・・
「借り換え」であれば
- 残りの返済期間が短い
- 現在、借り換えをしようとしているのですから、また10年後の当初期間終了後の金利が上がるタイミングで、もう一度借り換えをすればよい
と考えられます。
となると、重視すべきは
- 当初10年間の当初固定期間の金利が低金利であること
- 借り換え時の諸費用(事務手数料・保証料)が安いこと
の2点に絞られてくるのです。
住宅ローン「当初固定金利(当初10年固定金利)」ランキング
1位:
りそな銀行
おすすめの理由
りそな銀行は、大手都市銀行ですが「ネット専用の借り換えプラン」を用意しています。
このプランであれば、ネット銀行と同じ「保証料無料の事務手数料型」で、金利も1位、2位を争う低金利になっているのです。
「借り換え専用の金利優遇プランがあること」「低金利なので借り換えメリットが大きくなること」「大手都市銀行の信頼性」でおすすめの住宅ローンです。
りそな銀行住宅ローンの概要
りそな銀行はりそなホールディングス傘下の100%子会社で、3大メガバンクの次に位置する都市銀行です。メガバンクと比較するとリテール部門(個人向け)のサービスに力を入れている銀行です。
りそな銀行の住宅ローンの特徴は「都市銀行の信頼性」「全国展開しており店舗での相談が可能」「当初10年固定金利が低金利」「全期間固定金利が低金利」「WEB申込専用の低金利借り換えプランがある」「火災保険最大20%割」「女性向け住宅ローン」「諸費用ローン」「住宅ローンプランが豊富」などが挙げられます。
ベースとして、当初10年固定金利と全期間固定金利が低金利の設定となっています。また、WEB申込専用の低金利借り換えプラン「りそな借りかえローン(WEB申込限定プラン)」では、事務手数料が「借入額の2.2%(税込)+3.3万円(税込)」とネット銀行の住宅ローンに近い設定となっていて、保証料は不要です。その他の住宅ローンでは保証料は金利+0.2%が必要ですので、混同しないように注意しましょう。
また、大きな特徴として「住宅ローンプランが豊富」なこともメリットになっています。「親子二世代の住宅ローン」「フラット35」「住み替えローン」「建て替えローン」「女性向け住宅ローン」「諸費用ローン」「ミックスローン」「省エネ対策をしている住宅向け住宅ローン」「太陽光発電システム付の住宅向け日照補償付住宅ローン」・・・とかなり幅広いラインナップとなっています。諸費用が支払えない方や太陽光発電システム付の住宅を購入したい方など目的に応じた住宅ローン選びが可能です。
デメリットとしては、「りそな借りかえローン(WEB申込限定プラン)」以外は都市銀行の諸費用設計「保証料:金利+0.2%」ですので、ネット銀行と比較すると金利が高く、比較的低金利に設定されている全期間固定金利も、フラット35には勝てないという状況があります。
ネット銀行と闘えるレベルの低金利は「りそな借りかえローン(WEB申込限定プラン)」に限られてしまうというのが大きなデメリットと言えます。
借り換えを検討しているが、ネット銀行ではなく、信頼性の高い都市銀行で借りたいという方におすすめの住宅ローンとなっています。
りそな銀行住宅ローンキャンペーン
注目金利
住宅ローン名 | 金利タイプ | 借入期間 | 実質金利(年率) 保証料/優遇込み | 当初期間終了後 変動金利 | 優遇・備考 | 事務手数料(税込) ※%は借入額に対しての割合 | 保証料 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ずーっとお得!全期間型/保証料金利上乗せ型 | 変動金利 | (-) | 0.690% | 0.690% | - | 33,000 | 0.20%金利上乗せ |
はじめがお得!当初型/保証料金利上乗せ型 | 当初固定金利 | (10年) | 1.950% | 1.075% | - | 33,000 | 0.20%金利上乗せ |
りそな借りかえローン | 変動金利(借り換え専用Web申込限定プラン) | (-) | 0.490% | 0.490% | - | 2.20%+33,000 | 無料 |
りそな借りかえローン | 当初固定金利(借り換え専用Web申込限定プラン) | (10年) | 1.815% | 0.490% | - | 2.20%+33,000 | 無料 |
2位:三菱UFJネット専用住宅ローン
おすすめの理由
「当初10年固定金利」に力を入れているのは、メガバンクなのです。しかし、メガバンクの場合、保証料が「金利+0.2%」になるため、金利が割高になってしまいます。
三菱UFJネット専用住宅ローンは、保証料無料のネット銀行仕様の商品設計になっているため、メガバンクの「当初10年固定金利」のお得さを維持しながら、保証料無料なので金利上昇がない分、お得な住宅ローンになっています。
三菱UFJ銀行住宅ローンの概要
三菱UFJ銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループで、言わずと知れた3大メガバンクのひとつです。メガバンクとして全国に店舗を持ち、住宅ローン市場でも数兆円規模の融資額を誇る銀行です。
メガバンクの住宅ローンというのは、銀行の融資先の中でも数兆円というウェイトを占める重要な商品に位置付けられています。住宅という確実な担保がありながら、融資額が大きく顧客が多いからです。そのため、三菱UFJ銀行をはじめとしたメガバンクでも、住宅ローンは主力商品に位置付けられているのですが、近年はネット銀行、新しい形態の銀行の台頭により、低金利競争では後れを取っているのが現状です。
ネット銀行と比較すると、メガバンクは全国に店舗を持ち、常駐する社員を雇用するコストがある分、住宅ローンの金利もネット銀行並みには下げられないという背景があるのです。
三菱UFJ銀行の住宅ローンの特徴としては、メガバンクは横並びですが「当初10年固定金利が低金利であること」「借り換え専用の低金利プランがあること」「メガバンクとしての信頼性が高いこと」「専任の担当者が契約まで対応してくれること」などが挙げられます。
また、三菱UFJ銀行は、三井住友銀行、みずほ銀行と比較すると住宅ローンの顧客獲得に積極的なため、金利もやや低金利に設定されているケースも多いようです。出産前後の女性向けの金利優遇やリフォーム時のリフォームローンの金利優遇など独自の金利優遇サービスもあります。
金利面でも、諸費用面でも、ネット銀行には勝てないため、新しく「ネット専用住宅ローン」というプランを用意して、「保証料無料」「低金利」「オンライン完結での申込対応」というプランを開発しています。ネット銀行並みのサービスと、メガバンクの信頼性と対応力で、人気があります。