ここだけは注意して!住宅ローン借り換えの注意点まとめ

man
「住宅ローンの借り換えをするときに気を付けておいた方が良い点ってありますか?」
「住宅ローン借り換えの注意点を教えてほしい。」

低金利が続いているため、住宅ローンの借り換えを検討する方も増えています。今回は、住宅ローンの借り換えをするときの注意点について解説します。

住宅ローン借り換えの注意点

住宅ローン借り換えの注意点

注意点その1.「固定金利」から「変動金利」への借り換えに注意!

住宅ローン借り換えで一番気を付けなければならないのは

  • 「全期間固定金利」 → 「変動金利」
  • 「当初固定金利(固定期間中)」 → 「変動金利」

への借り換えです。

なぜ、注意が必要かというと・・・

ベースの金利は

固定金利 > 変動金利

ですので

「固定金利」から「変動金利」への借り換えは「金利差」が大きく、「借り換えメリット」が大きい

のですが

同時に

金利上昇リスクを放棄してしまうことになる

からです。

固定金利を選んだときは

man
「将来の金利上昇が怖いから、ベースの金利は高いけど固定金利にしよう。」

と判断して固定金利にしたはずです。

man
「金利は借入当初から全然上昇していないから、金利上昇リスクがない変動金利に借り換えてもいいか。」

と考えることはおかしいことではありませんが

「金利上昇リスク」がどれだけ発生するのか?

理解したうえで、借り換えを実行すべきです。

というのも、銀行のシミュレーションツールでは

  • 新規借入シミュレーション → 将来の金利上昇が考慮できる
  • 借り換えシミュレーション → 将来の金利上昇が考慮できない

ものが多いので、

teacher
下手をすると、借り換え後の金利上昇で借り換え前よりも、総返済額がマイナスになる(借り換えメリットがマイナスになる)可能性があるのです。

実際に試算してみます。

借り換え前
  • 金利:1.20%
  • 金利タイプ:全期間固定金利
  • 返済期間:残り20年
  • ローン残高:2000万円
ネット銀行の変動金利へ借り換え
  • 借り換え諸費用:借入額の2.0%(税別)+司法書士報酬など:18万円
  • 金利タイプ:変動金利
  • 返済期間:残り20年
  • 借入額:2000万円
試算したシミュレーションツール
金利上昇と返済メリットの関係
金利上昇タイミング金利上昇幅借り換え前
金利
借り換え後
金利
上昇後金利借り換えなし
総返済額
借り換え後
総返済額
諸費用借り換えメリット
金利上昇なし+0.50%1.20%0.50%1.00%22,505,73821,020,705612,000+873,033
5年後+0.50%1.20%0.50%1.00%22,505,73821,614,672612,000+279,066
5年後+1.00%1.20%0.50%1.50%22,505,73822,222,829612,000-329,091
5年後+1.50%1.20%0.50%2.00%22,505,73822,845,117612,000-951,379
5年後+2.00%1.20%0.50%2.50%22,505,73823,481,483612,000-1,587,745
5年後+2.50%1.20%0.50%3.00%22,505,73824,131,842612,000-2,238,104
10年後+0.50%1.20%0.50%1.00%22,505,73821,285,495612,000+608,243
10年後+1.00%1.20%0.50%1.50%22,505,73821,554,540612,000+339,198
10年後+1.50%1.20%0.50%2.00%22,505,73821,827,837612,000+65,901
10年後+2.00%1.20%0.50%2.50%22,505,73822,105,382612,000-211,644
10年後+2.50%1.20%0.50%3.00%22,505,73822,387,151612,000-493,413
15年後+0.50%1.20%0.50%1.00%22,505,73821,087,468612,000+806,270
15年後+1.00%1.20%0.50%1.50%22,505,73821,154,755612,000+738,983
15年後+1.50%1.20%0.50%2.00%22,505,73821,222,586612,000+671,152
15年後+2.00%1.20%0.50%2.50%22,505,73821,290,962612,000+602,776
15年後+2.50%1.20%0.50%3.00%22,505,73821,359,866612,000+533,872

となります。

5年後に金利が1.0%上昇すると借り換えメリットはマイナスになる
10年後に金利が2.0%上昇すると借り換えメリットはマイナスになる
15年後に金利が上昇しても借り換えメリットはマイナスにはならない

ということがわかります。

借り換え直後に金利上昇があると「借り換えメリットがマイナス=借り換えをしなかった方がお得」になってしまうのです。

man
「こんなんだったら、借り換えしなかった方が良かったじゃん。」

とならないためにも、

  • 「全期間固定金利」 → 「変動金利」
  • 「当初固定金利(固定期間中)」 → 「変動金利」

への借り換えには注意が必要なのです。

借り換え後の金利上昇によって、どのくらいの借り換えメリットのマイナスが発生するのか?

を試算した上で・・・

man
「リスクは増えるが、それよりも金利上昇がなかった場合のメリットが大きい。」

と判断するのであれば、借り換えを実行して良いのです。

最悪なのは、借り換えメリットがマイナスになるリスクを理解せずに「固定金利」から「変動金利」へ借り換えてしまうことです。

注意点その2.有利な特典を手放す借り換えに注意!

最近では

とネット銀行を中心に「保障の無料付帯サービス」が拡大しています。

疾病保障であれば

  • 住信SBIネット銀行 → 全疾病保障無料付帯:無料
  • 三菱UFJ銀行 → 7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン〈Plus〉:金利+0.3%上乗せ
注意点その2.有利な特典を手放す借り換えに注意!

という差があるのです。若干、三菱UFJ銀行の疾病保障の方が無料付帯の疾病保障よりも、保険金が下りるハードルが低いのですが、それでもこの金利分、住信SBIネット銀行の疾病保障はメリットがあるということになります。

例えば

借り換え前
  • 住信SBIネット銀行
  • 金利タイプ:変動金利
  • 金利:0.75%
  • 疾病保障:無料
  • 返済期間:残り20年
  • ローン残高:2000万円
他のネット銀行の変動金利へ借り換え
  • 借り換え諸費用:借入額の2.0%(税別)+司法書士報酬など:18万円
  • 金利:0.45%
  • 疾病保障:なし(付帯させるためには+0.3%)
  • 金利タイプ:変動金利
  • 返済期間:残り20年
  • 借入額:2000万円
借り換えメリットは
  • 借り換えしない場合の総返済額:21,649,185円
  • 借り換えする場合の総返済額:20,917,122円
  • 借り換え諸費用:612,000円
  • 借り換えメリット:+120,063円

となり、「借り換えメリットはプラス」と判断することができますが・・・

疾病保障無料付帯が借り換えによって失われているのです。

疾病保障を付帯させるために「金利+0.3%」が必要であれば、上記の条件は同じになってしまうので

「借り換え諸費用分、借り換えメリットがマイナスになる」

ことになってしまいます。

このように借り換えメリットを試算するときにも

  • 疾病保障
  • 利用機会の多い割引・優待サービス

は、金銭的価値に置き換えて「借り換えメリットに考慮する」必要があります。

注意点その3.借り換えの残り期間によっては「事務手数料が安くて、金利が高いプラン」が有利!

住宅ローンの中には

  1. 諸費用が高くて、金利が低いプラン
  2. 諸費用が安くて、金利が高いプラン

の両者を用意している銀行があります。

例えば、イオン銀行の場合

例えば、イオン銀行の場合

ローン取扱手数料

ローン取扱手数料は次の1.2よりご選択いただけます。

1.定額型:108,000円(税込)
2.定率型:お借入れ金額の2.16%(税込)[最低取扱手数料216,000円(税込)] ※ 定額型をご選択された場合、定率型にくらべお借入れ利率が年0.2%高くなります。

とあります。

つまり、2018年1月時点の変動金利の場合

定率型
  • 取扱手数料:お借入れ金額の2.16%(税込)
  • 変動金利:0.57%
定額型
  • 取扱手数料:108,000円(税込)
  • 変動金利:0.77%

という金利体系になっているということです。

借り換えメリットのパターンを試算してみると・・・

借り換え前
  • 金利:1.20%
  • 金利タイプ:全期間固定金利
  • 新規借入時の返済期間:35年
  • 新規借入時の借入額:3000万円
イオン銀行の変動金利へ借り換え
  • 借り換え諸費用:借入額の2.0%(税別)+司法書士報酬など:18万円
  • 金利タイプ:変動金利
試算したシミュレーション

借り換えを実行する時期別でシミュレーションしています。

プラン借り換え時期借り換え前
金利
借り換え後
金利
借り換えなし
総返済額
借り換え後
総返済額
諸費用借り換えメリット有利判定
定額型残り25年1.20%0.77%26,251,37024,929,047288,000+1,034,323×
定率型残り25年1.20%0.57%26,251,37024,328,816612,000+1,310,554
定額型残り20年1.20%0.77%20,997,84620,139,532288,000+570,314×
定率型残り20年1.20%0.57%20,997,84619,748,129612,000+637,717
定額型残り15年1.20%0.77%15,741,95415,252,133288,000+201,821
定率型残り15年1.20%0.57%15,741,95415,027,705612,000+102,249×

これを見るとわかりますが・・・

残り25年、残り20年では「低金利、事務手数料が高い」プランの方が借り換えメリットが大きい
残り15年の段階では「高金利、事務手数料が安い」プランの方が借り換えメリットが大きい

と、借り換え後の返済期間が短くなるにつれて、金利よりも、借り換え時の諸費用負担の方が重要度が重くなってくるのです。

残りの返済期間が短いと事務手数料が安い住宅ローンの方がお得になる可能性が高い

ということに注意が必要です。

注意点その4.借り換えでは「手間(時間コスト)」も考慮する!

住宅ローンの新規借入時のことを思い出してください。

  1. 色々なウェブサイトで住宅ローンの情報収集をする
  2. 検討したうえで住宅ローンに申し込む
  3. 住宅ローンの申込フォームに大量の情報を入力する
    (審査に落ちた場合は、別の住宅ローンを探して同じ行動を行う)
  4. 銀行から送られてきた正式な申込書に記入する
  5. 役所に行って、いろいろな書類を手配する
  6. 銀行から送られてきた正式な申込書を返送する
  7. 住宅ローンの契約を交わす
  8. 司法書士と連絡を取り、登記を行う
    ・・・

どれだけの時間を費やしたかは人それぞれですが、少なく見積もっても、のべ20時間ぐらいは時間を取られているのではないでしょうか。

時給が3,000円の方が借り換えの手続きをしていた場合

20時間 × 3,000円 = 60,000円分の時間コストを使っているのです。

もし、これで借り換えメリットが5万円しかない借り換えだったら・・・

5万円分の利益のために、6万円分の時間コストを使っているのですから

1万円の赤字です。

teacher
見た目上は「借り換えメリットがプラス」なのですが、借り換えに使う時間を残業した方が儲かっているのです。
意外と考慮されていない時間コストも、借り換えメリットの計算には含める必要があります。

専業主婦の方がすべての手続きをするのであれば、借り換えメリットはそのまま利益になりますが
共働きや残業すれば十分な対価をもらえる方が手続きする場合は、時間コストも計算の上、借り換えすべきか検討する必要があるのです。

注意点その5.借り換えのチャンスを待ちすぎない!

man
「もう少し待てば、もっと金利が下がるかもしれない。そうしたら借り換えしよう。」

と考える人も少なくありません。

しかし、

  • 金利が下がって、借り換えメリットが増える

可能性もありますが

  • 金利が上がって、借り換えメリットが減る(借り換えチャンスがなくなる)

可能性もあるのです。

「借り換え」は
別の銀行から借りて、現在借り入れ中の銀行に一括返済する仕組み

ですから、回数制限はなく、銀行の数だけ「何度でも借り換えはできる」のです。

だとすれば、チャンスを待ちすぎて、借り換えの機会を逃してしまうよりは

借り換えをしても良いと判断できる借り換えメリットが得られるのであれば、迷わず借り換えをすべき

と言えるのです。

借り換えのチャンスを待ちすぎて、金利が上昇し、借り換えチャンスを失ってしまうことに注意が必要です。

まとめ

住宅ローン借り換えの注意点には

  1. 注意点その1.「固定金利」から「変動金利」への借り換えに注意!
  2. 注意点その2.有利な特典を手放す借り換えに注意!
  3. 注意点その3.借り換えの残り期間によっては「事務手数料が安くて、金利が高いプラン」が有利!
  4. 注意点その4.借り換えでは「手間(時間コスト)」も考慮する!
  5. 注意点その5.借り換えのチャンスを待ちすぎない!

というものがあります。

teacher

この中でもダントツに気を付けなければならない点は「固定金利」から「変動金利」への借り換えです。

金利上昇リスクがなくなってしまうので「借り換えをして損をする」最悪の自体が起こりうることを理解したうえで、借り換えを実行しなければなりません。不安な方は、同じ金利タイプへの借り換えをおすすめします。