FPが教える住宅ローン金利比較の正しい手順。金利で比較してはいけない!

住宅ローン金利推移/2024年3月最新

  • 2024年3月最新金利を反映しています。
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住宅ローン平均金利推移/2024年3月最新

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平均金利内訳変動金利10年固定金利35年固定金利フラット35金利1986年以降の主要金利
年月変動金利5年固定金利10年固定金利15年固定金利25年固定金利35年固定金利フラット35(15~20年)フラット35(21~35年)
2024年3月0.492%1.234%1.435%1.823%1.991%2.032%1.360%1.840%
2024年2月0.494%1.206%1.418%1.825%1.946%2.048%1.340%1.820%
2024年1月0.494%1.213%1.410%1.811%1.966%2.014%1.390%1.870%
2023年12月0.494%1.269%1.508%1.899%2.022%2.104%1.430%1.910%
2023年11月0.517%1.301%1.589%2.009%2.121%2.227%1.480%1.960%
2023年10月0.521%1.233%1.478%1.866%2.009%2.081%1.400%1.880%
2023年9月0.536%1.210%1.437%1.829%1.926%2.059%1.320%1.800%
2023年8月0.525%1.076%1.294%1.660%1.819%1.850%1.290%1.720%
2023年7月0.525%1.071%1.261%1.600%1.772%1.807%1.300%1.730%
2023年6月0.528%1.094%1.288%1.631%1.782%1.835%1.330%1.760%
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concierge

今月の変動金利平均

0.484%

(前月対比:- 0.000%

(前月同月対比:- 0.064%

※主要銀行の平均値。当社調査

今月の当初10年固定金利平均

1.403%

(前月対比:+ 0.036%

(前月同月対比:- 0.128%

※主要銀行の平均値。当社調査

今月のフラット35金利

1.640%

(前月同月対比:+ 0.020%

今月の住宅ローン金利予想

日銀総裁が後退するタイミングで、金利の引き上げが予想されている。直近では、世界情勢の悪化・世界各国のインフレ抑制のための円安が進んでいるが、それを抑える意味でも、日本の金利引き下げは近い将来である可能性が高く、金利は急上昇する可能性も高い。
詳しい解説:FP/今月の住宅ローン金利動向解説と金利予想。「私ならこの住宅ローンを選ぶ!」

住宅ローン金利比較 2024年3月最新

  • タブをクリックすると比較すべき項目が変わります。
  • 見出しをクリックすると並び替えができます。
変動金利5年固定金利10年固定金利35年固定金利フラット35借り換え専用金利
銀行住宅ローン名金利タイプ借入期間実質金利(年率)
保証料/優遇込み
当初期間終了後
変動金利
事務手数料(税込)
※%は借入額に対しての割合
保証料
PayPay銀行
住宅ローン(自己資金10%以上)変動金利(-)0.250%0.250%2.20%無料
PayPay銀行
住宅ローン変動金利(-)0.290%0.415%2.20%無料
PayPay銀行
住宅ローン変動金利(借り換え)(-)0.290%0.290%2.20%無料
ソニー銀行
変動セレクト住宅ローン変動金利(借り換え)(-)0.297%0.297%2.20%無料
auじぶん銀行
全期間引下げプラン
審査の結果によっては保証付金利プラン(3年、5年、10年)になる可能性あり。"
変動金利(借り換え)(-)0.298%0.298%2.20%無料

※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。

SBIマネープラザ
住宅ローン/通期引下げプラン変動金利(-)0.298%0.298%2.20%無料
SBIマネープラザ
住宅ローン/通期引下げプラン変動金利(借り換え)(-)0.298%0.298%2.20%無料
住信SBIネット銀行
住宅ローンWEB申込コース変動金利(借り換え)(-)0.298%0.298%2.20%無料
auじぶん銀行
全期間引下げプラン
審査の結果によっては保証付金利プラン(3年、5年、10年)になる可能性あり。"
変動金利(-)0.319%0.319%2.20%無料

※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。

銀行住宅ローン名金利タイプ借入期間実質金利(年率)
保証料/優遇込み
当初期間終了後
変動金利
事務手数料(税込)
※%は借入額に対しての割合
保証料
住信SBIネット銀行
住宅ローンWEB申込コース当初固定金利(5年)0.648%0.640%2.20%無料
SBIマネープラザ
住宅ローン/当初引下げプラン当初固定金利(5年)0.648%0.640%2.20%無料
SBI新生銀行
パワースマート住宅ローン当初固定金利(5年)0.850%0.900%110,000無料
住信SBIネット銀行
フラット35s(買取型)(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(5年)0.860%1.160%1.10%無料
楽天銀行
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(5年)0.860%1.160%1.10%無料
ARUHI
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(5年)0.860%1.160%1.10%無料
PayPay銀行
住宅ローン当初固定金利(5年)1.015%0.790%2.20%無料
auじぶん銀行
当初期間引下げプラン
審査の結果によっては保証付金利プラン(3年、5年、10年)になる可能性あり。"
当初固定金利(5年)1.030%2.120%2.20%無料

※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。

三井住友信託銀行
当初期間金利引下げ/融資手数料型当初固定金利(5年)1.030%0.655%2.20%無料
銀行住宅ローン名金利タイプ借入期間実質金利(年率)
保証料/優遇込み
当初期間終了後
変動金利
事務手数料(税込)
※%は借入額に対しての割合
保証料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.660%1.160%1.10%無料
auじぶん銀行
当初期間引下げプラン
審査の結果によっては保証付金利プラン(3年、5年、10年)になる可能性あり。"
当初固定金利(2年)0.730%1.110%2.20%無料

※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。

ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%超/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.800%1.300%1.10%無料
楽天銀行
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.160%1.10%無料
住信SBIネット銀行
フラット35s(買取型)(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.160%1.10%無料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%以下/団信あり):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.360%1.10%無料
ARUHI
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.160%1.10%無料
ARUHI
フラット35子育て支援型・地域活性化型(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.910%1.160%1.10%無料
auじぶん銀行
当初期間引下げプラン
審査の結果によっては保証付金利プラン(3年、5年、10年)になる可能性あり。"
当初固定金利(3年)0.910%1.150%2.20%無料

※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。

銀行住宅ローン名金利タイプ借入期間実質金利(年率)
保証料/優遇込み
当初期間終了後
変動金利
事務手数料(税込)
※%は借入額に対しての割合
保証料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%以下/団信なし):21年以上~35年以下当初固定金利(10年)1.140%1.640%1.10%無料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%超/団信なし):21年以上~35年以下当初固定金利(10年)1.280%1.780%1.10%無料
ARUHI
ARUHIスーパーフラット5(融資額70%以下/団信なし)全期間固定金利(15~35年)1.330%1.330%2.20%無料
住信SBIネット銀行
フラット35s(買取型)(融資額90%以下/団信なし):21年以上~35年以下当初固定金利(10年)1.340%1.640%1.10%無料
住信SBIネット銀行
フラット35s(買取型)(融資額90%以下/団信なし):21年以上~35年以下当初固定金利(5年)1.340%1.640%1.10%無料
楽天銀行
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):21年以上~35年以下当初固定金利(10年)1.340%1.640%1.10%無料
楽天銀行
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):21年以上~35年以下当初固定金利(5年)1.340%1.640%1.10%無料
ARUHI
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):21年以上~35年以下当初固定金利(10年)1.340%1.640%1.10%無料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%以下/団信あり):21年以上~35年以下当初固定金利(10年)1.340%1.840%1.10%無料
銀行住宅ローン名金利タイプ借入期間実質金利(年率)
保証料/優遇込み
当初期間終了後
変動金利
事務手数料(税込)
※%は借入額に対しての割合
保証料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.660%1.160%1.10%無料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%超/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.800%1.300%1.10%無料
住信SBIネット銀行
フラット35s(買取型)(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(5年)0.860%1.160%1.10%無料
ARUHI
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(5年)0.860%1.160%1.10%無料
住信SBIネット銀行
フラット35s(買取型)(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.160%1.10%無料
楽天銀行
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(5年)0.860%1.160%1.10%無料
楽天銀行
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.160%1.10%無料
ARUHI
フラット35s(融資額90%以下/団信なし):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.160%1.10%無料
ARUHI
フラット35リノベ(融資額90%以下/団信あり):15年以上~20年以下当初固定金利(10年)0.860%1.360%1.10%無料
銀行住宅ローン名金利タイプ借入期間実質金利(年率)
保証料/優遇込み
当初期間終了後
変動金利
事務手数料(税込)
※%は借入額に対しての割合
保証料
PayPay銀行
住宅ローン変動金利(借り換え)(-)0.290%0.290%2.20%無料
ソニー銀行
変動セレクト住宅ローン変動金利(借り換え)(-)0.297%0.297%2.20%無料
SBIマネープラザ
住宅ローン/通期引下げプラン変動金利(借り換え)(-)0.298%0.298%2.20%無料
auじぶん銀行
全期間引下げプラン
審査の結果によっては保証付金利プラン(3年、5年、10年)になる可能性あり。"
変動金利(借り換え)(-)0.298%0.298%2.20%無料

※審査の結果、保証会社をご利用いただく場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途お支払いいただく保証料はございません。

住信SBIネット銀行
住宅ローンWEB申込コース変動金利(借り換え)(-)0.298%0.298%2.20%無料
りそな銀行
りそな借りかえローン変動金利(借り換え専用Web申込限定プラン)(-)0.340%0.340%2.20%+33,000無料
三菱UFJ銀行
住宅ローン(借り換え)/変動金利選択プラン変動金利(借り換え)(-)0.345%~0.475%0.345%~0.475%0無料
みずほ銀行
みずほネット借り換え住宅ローン 全期間重視プラン変動金利(借り換え専用)(-)0.575%~0.875%0.575%~0.875%33,0000.20%金利上乗せ
三井住友銀行
最後までずーっと引き下げローン変動金利(借り換え)(-)0.675%~0.875%0.675%~0.875%33,0000.20%金利上乗せ
concierge

今月の注目住宅ローン「私ならこの住宅ローンを選ぶ!」

住信SBIネット銀行住宅ローン/フラット35(保証型)
金利上昇リスクが高まっているため「フラット35(保証型)」を選択(条件をクリアしていて加入できるならフラット35Sをおすすめします。) 住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)は、フラット35の中でも金利が低金利に設定されていて、かつ事務手数料が安く、全疾病保障、団信も無料付帯されているフラット35です。
詳しい解説:FP/今月の住宅ローン金利動向解説と金利予想。「私ならこの住宅ローンを選ぶ!」

FPが教える住宅ローン金利比較の正しい手順。住宅ローンは金利で比較してはいけない!

手順その1.住宅ローン金利の仕組みを理解する

woman
「低金利の住宅ローンが一番良いんでしょ?金利の仕組みなんて知る必要あるの?」
concierge
あります。

なぜならば、「金利の仕組み」を正しく理解しないと

  • 本当に低金利の住宅ローンを見極めることができない
  • 金利が今後どうなるのか?予想できない
  • 金利上昇に対する対策をとれない

という弊害が発生してしまいます。

「金利の正しい知識」を理解をしたうえで住宅ローン金利を比較するべきなのです。

銀行のビジネスモデル

 個人の預金や他の銀行・日銀から低金利で借りて
「利ザヤ」を乗せて、住宅ローンとして個人に貸し付けする

これが銀行のビジネスモデルであり、住宅ローン金利の基本的な仕組みです。

concierge
現在は、過去に例のない不景気なので、日銀は「政策金利」を0.0%に近い金利に設定しています。前述した銀行が調達する金利(無担保コールレート)も0.0%程度なので、住宅ローンの金利も、0.5%~1.5%と過去に例のない超低金利で提供されているのです。

1986年以降の住宅ローン主要金利指標の推移

※青色の「無担保コールレート」が住宅ローン金利への相関が強い指標です。

Chart by Visualizer

住宅ローンの金利が決まる公式

住宅ローンの金利は

銀行の調達金利(無担保コールレート・政策金利) + 銀行の利ザヤ = 住宅ローン金利

という公式で計算できるのです。

銀行の利ザヤに含まれるもの

  • 人件費
  • 広告宣伝費
  • WEBサイト・システム費用
  • チラシやパンフレットの作成費用
  • 店舗の光熱費
  • 店舗にかかる人件費
  • 店舗の賃貸費用
  • 貸し倒れ損失の引当金
  • 銀行の利益

が含まれているのです。

concierge

ネット銀行が低金利で住宅ローンを提供できるのには

  • 店舗の光熱費
  • 店舗にかかる人件費
  • 店舗の賃貸費用

などが不要なので、調達金利に上乗せする「利ザヤ」が都市銀行(メガバンク、地方銀行)よりも少なくて済むからなのです。

銀行の調達金利(無担保コールレート・政策金利)の変動

woman
銀行の調達金利(無担保コールレート・政策金利)は何によって決まるの?
concierge
景気に左右されます。

不景気の時

日銀は金利を引き下げる

→ 銀行は企業へ低金利で融資できるようになる
→ 世の中に流通するお金の量が増えるので物価が上がる
→ 企業が儲かる
→ 給料が上がる
→ 消費が増える
→ 好景気になる

woman
「あれっ、これってアベノミクスじゃんっ!」
concierge
そうです。アベノミクスなんて言われていますが、安倍首相が考えたものではなく、元々は1980年代にレーガン大統領が実施した自由化政策のひとつで、アメリカも、ユーロ圏の国々も、全く同じことを不景気には行っているのです。景気対策の王道と言っていいでしょう。

好景気の時

日銀は金利を引き上げる

→ 物価が上がりすぎることを抑制する

のです。

米国は、日本と同じようにゼロ金利政策を取っていましたが、2015年12月に金利引き上げを行い、2017年6月時点で計3回の金利引き下げをしています。このことを「金利正常化」「金融引き締め」とも呼びます。

日本と米国の政策金利

景気が良くなったからと言って、ほったらかしにしていると、日本の1990年代のバブルのようにはじけてしまうのです。そのため、米国のように景気が回復の兆候がでると、少しずつ金利を引き上げていくのです。

日本のバブル時代は

  • 預金金利が4.0%
  • 住宅ローン金利が7.0%

という時代です。今となっては考えられませんが、好景気になれば金利は上昇するのです。

住宅ローン金利を比較する上で理解しておくべきこと

  • 銀行は調達金利(無担保コールレート・政策金利)に「利ザヤ」を乗せて、住宅ローン金利とする
  • ネット銀行は店舗コストが不要なので乗せる「利ザヤ」が小さい分、低金利で住宅ローンを提供できる
  • 不景気のときは日銀が金利を引き下げるので、住宅ローン金利は低金利になる
  • 好景気のときは日銀が金利を引き上げるので、住宅ローン金利は高金利になる

ということです。

手順その2.住宅ローン金利の種類を理解する

woman
「住宅ローン金利って『○○金利』という名前が多すぎてよくわからないんですよね?」
concierge
確かにわかりにくい仕組みなっています。まずは表記から説明します。銀行によって金利の名称が少しずつ違うので注意が必要です。

金利の名称比較

基準金利/店頭金利/表面金利

基準金利というのは、銀行が決定する「定価」のようなもの

家電量販店でテレビを買う時を考えてみてください。メーカーが決めた小売希望価格「定価」がありますが、「定価」通りに販売している家電量販店は見たことないはずです。そんな家電量販店があったらすぐにつぶれてしまいます。

優遇金利/引き下げ後金利

基準金利から○○%引き下げた借りるときの金利のこと

「基準金利」が定価ですから、「借入金利/優遇金利/引き下げ後金利」は実際に家電量販店で売っている販売価格ということになります。

concierge
家電量販店のテレビに「定価から30%OFF!」と値札が貼ってあるのと同じように、住宅ローンでも「基準金利から最大-1.85%引き下げ!」と書いてあるのです。これはほぼ同じことなのです。
例:三菱UFJ銀行変動金利/2017年7月時点

借入金利/適用金利/融資金利

実際に融資実行時点の金利

前述した三菱UFJ銀行の変動金利の場合、金利が「年 0.625% ~ 年 0.775%」となっています。

「結局、何%だよっ!」って突っ込みたくなってしまいますが、金利に幅があるので「審査してみないとわかりません。」というのが答えなのです。

審査結果が出て、実際に融資するときの金利のことを「借入金利/適用金利/融資金利」というのです。

家電量販店の例で言えば、「販売価格」よりも、店員さんが割引してくれて「実際に買った金額」を意味するのです。

注意点

ほとんどの住宅ローンでは、申込月ではなく、融資月の金利が「適用金利/融資金利」になります。3月に申込んだとしても、審査に時間がかかって融資を受けるのが5月になれば、5月の金利で借りなければならないのです。

家電量販店で売っているテレビに例えれば

  • 基準金利/店頭金利/表面金利 = 住宅ローンの定価
  • 借入金利/優遇金利/引き下げ後金利 = 住宅ローンの販売価格
  • 適用金利/融資金利 = 住宅ローンの購入価格

となります。

金利に幅があるプランとないプランの違い

ネット銀行の住宅ローン → 金利に幅がない単一の金利設定

メリット
  • 借りられる金利が決まっている
デメリット
  • 基準に達しなければ審査に落ちる

都市銀行(メガバンクや地方銀行)の住宅ローン → 金利に幅がある金利設定

メリット
  • 審査の評価が低くても、金利を上限に近づければ良いので審査で許容できる幅が広い(審査が通りやすい)
デメリット
  • 何%で借りられるのか?審査後でないとわからない
  • 低金利の住宅ローンを検討しているのであれば「金利に幅がないプラン」がおすすめ
  • 審査に通りやすい住宅ローンを検討しているのであれば「金利に幅があるプラン」がおすすめ
concierge
さて、今まで解説したのは金利の名称の違いでした。いよいよ金利タイプの違いを解説します。

金利タイプの違い比較


変動金利

調達金利(無担保コールレート・政策金利)の変動に合わせて、住宅ローンの金利も変動する金利タイプ
メリット
  • 他の金利タイプよりもベースの金利が低金利
デメリット
  • 返済途中に金利が上昇するリスクがある
concierge

前述した通りで、銀行は「調達金利(無担保コールレート・政策金利)」に「利ザヤ」を乗せて住宅ローン金利にします。「調達金利(無担保コールレート・政策金利)」は景気によって変動してしまうので「貸し出す住宅ローン金利も、それに合わせて変動させるよ。」というのが変動金利です。

「調達金利(無担保コールレート・政策金利)」がどうなろうと、銀行の乗せる「利ザヤ」が変わらないので、銀行にはリスクがありません。だから、他の金利タイプよりも低金利で提供できるのです。

住宅ローンの変動金利の仕組み
住宅ローンの変動金利比較の正しい手順


全期間固定金利

借り入れから完済までずっと同じ金利が適用される金利タイプ
メリット
  • 金利上昇リスクがない
  • 毎月の返済額も完済まで一定なので返済計画が立てやすい
デメリット
  • 他の金利タイプよりもベースの金利が高金利
concierge

変動金利とは逆で銀行は「調達金利(無担保コールレート・政策金利)」に「利ザヤ」を乗せて住宅ローンを提供したいのに、景気が好景気になった場合、調達金利は高くなったのに住宅ローン金利は低いままの「逆ザヤ」の状態になるリスクがあります。銀行は損失を出すリスクがあるのです。

たからこそ、ベースの金利を他の金利タイプよりも高くすることでリスクヘッジをしているのです。

民間銀行は、あまり全期間固定金利を販売することに積極的ではありません。「逆ザヤ」リスクがあるからです。

だからこそ、民間銀行がやらないところを手厚くするために、独立行政法人の「住宅金融支援機構」がフラット35という住宅ローン商品で、全期間固定金利をカバーしているのです。

低所得者の場合は、変動金利を選んでしまうと、金利上昇によって返済ができなくなる可能性があります。低所得者の方ほど、毎月の返済額が完済まで変わらない全期間固定金利がおすすめなのです。

住宅ローンの全期間固定金利の仕組み
住宅ローン全期間固定金利比較の正しい手順
フラット35と銀行住宅ローンの全期間固定金利はどちらがお得?


当初固定金利/一定期間固定金利

借り入れから一定期間は同じ金利が適用される金利タイプ。当初期間終了後は、新たに変動金利や固定金利など金利タイプを選択できる

メリット

  • 全期間固定金利よりはベースの金利が低金利
  • 一定期間は金利上昇リスクがないので、子供が生まれて間もない家庭などは出費が増える期間は安心して返済できる

デメリット

  • 変動金利よりはベースの金利が高金利
  • 当初期間終了後は金利が上昇する
concierge

当初固定金利は、変動金利と全期間固定金利の中間と考えられることが多いのですが、実はそうではありません。住宅ローンの返済期間が30年で、当初10年固定金利であれば、3分の1の期間しか固定金利ではないのです。また、はじめの10年と後の10年であれば、はじめの10年の方が金利上昇リスクは低いので、銀行も売りやすい金利タイプなのです。

全期間固定金利と変動金利で言えば、変動金利よりも金利タイプです。

住宅ローンの当初固定金利の仕組み
住宅ローン当初固定金利比較の正しい手順


注意点

「当初固定金利/一定期間固定金利」は当初期間終了後に大幅に金利が上昇するものが多いので注意が必要です。

例:三菱UFJ銀行当初固定金利/2017年7月時点

です。

当初固定期間は「基準金利から2.2%の引き下げ」だったのに、当初期間終了後は「基準金利から1.4%の引き下げ」になるということです。

「当初期間の金利が1.0%だとしても、当初期間が終わった瞬間に1.8%に+0.8%上昇する」

ということを意味しています。

「当初固定金利/一定期間固定金利」がここが盲点になりやすく、住宅ローンに詳しくない方ほど「当初固定金利/一定期間固定金利」の当初期間の金利だけに注目してしまい、当初期間終了後に金利が上昇してからはじめて慌ててしまうのです。

「当初固定金利/一定期間固定金利」はその中でも

  1. 完済までの引き下げ幅がずっと同じ「全期間引下げプラン」
  2. はじめだけ引き下げ幅が優遇される「当初引下げプラン」

という2つのタイプにわかれます。

「変動金利」や「全期間固定金利」も「全期間引下げプラン」の仲間です。

金利を比較すると

「全期間引下げプラン」の当初固定金利 > 「当初引下げプラン」の当初固定金利

です。

当初10年固定金利の落とし穴。当初10年固定金利より変動金利の方が金利上昇リスクは少ない!?

concierge
この段階では、まだ「どの金利タイプにするのか?」決めなくて構いません。まずは金利タイプの種類とメリットデメリットを抑えましょう。

手順その3.ネット銀行と都市銀行の諸費用の違いを理解する

woman
「いや、金利について聞いているんだけど・・・なぜ、諸費用の話に?」
concierge
諸費用を理解しないと正しく金利が比較できないのです。

住宅ローンは元々は都市銀行(メガバンク・地方銀行)が中心となって販売してきました。

都市銀行(メガバンク・地方銀行)の諸費用

  • 保証料:金利+0.2%増
  • 事務手数料:33,000円(税込)

です。

ここにネットが普及するにつれて、ネット銀行が参入してきたのです。ネット銀行は都市銀行(メガバンク・地方銀行)と違う諸費用設定にすることで、顧客のメリットを最大化することを考えました。

ネット銀行が考えたのは・・・

consultant
「保証料を無料にすればメガバンクよりも金利はかなり低金利になるので、住宅ローンの利用者にはささるはず。その代りに事務手数料を多く取る形にしよう!」

というものです。結果こうなりました。

ネット銀行(新しい形態の銀行)の諸費用

  • 保証料:無料
  • 事務手数料:借入額の2.2%(税込)

です。

つまり、住宅ローン金利を比較する際には

  • 都市銀行(メガバンク・地方銀行)の住宅ローン金利には+0.2%して考えなければならない
  • ネット銀行は、金利の上乗せがないが、事務手数料が高くなることを考慮して比較しなければならない

ということです。

woman
「ええっ!じゃあ、どうすればいいの?金利だけ比較しても意味ないじゃん!」
concierge
その通りです。
正しい住宅ローンの金利比較の方法は「金利で比較しないこと」です。

手順その4.住宅ローンは総返済額で比較する

concierge

住宅ローンは

  • 金利タイプによって金利が違う
  • 当初固定金利は当初期間終了後に金利が上昇してしまう
  • 都市銀行は保証料で金利に上乗せされてしまう
  • ネット銀行(新しい形態の銀行)は事務手数料が高い
    ・・・

「じゃあ、どうしたらいいんだよっ!」と思ってしまいますが・・・

最終的な「総返済額」で住宅ローンを比較すれば良いのです。

総返済額とは

諸費用、利息、元金・・・すべてひっくるめて住宅ローンを完済するまでにいくらかかるのか?の合計金額のこと

です。

  • 低金利で諸費用が高い住宅ローン
  • 高金利で諸費用が安い住宅ローン
  • 当初期間終了後に金利が上昇する住宅ローン
    ・・・

も、最終的な「総返済額」であれば、公正に比較することができるからです。

このページ下部に「住宅ローンの総返済額シミュレーション」があるので試していただければ幸いですが・・・

金利が安い順 ≠ 総返済額が安い順

であることが分かります。

手順その5.総返済額を見ながら、金利タイプを決めよう!

先に「金利タイプ」のメリットデメリットを比較して「どの金利タイプを選ぶのか?」決めてしまっても良いのですが・・・

  • 金利タイプによって、どのくらい返済額が変わってくるのか?
  • 変動金利だと、どのくらい金利上昇リスクがるのか?

がわからないと、「金利タイプ」の選びようがないのも事実だと思います。

concierge
実際に総返済額を見比べてみましょう。

例:一番総返済額の安い住宅ローンの総返済額比較

  • 3000万円の借入
  • 金利上昇なし
  • 2017年7月時点の金利

変動金利

住信SBIネット銀行 金利:0.444% 3,321万円

当初5年固定金利

イオン銀行 金利:0.500% 3,464万円

当初10年固定金利

イオン銀行 金利:0.690% 3,483万円

全期間固定金利

楽天銀行 金利:1.090% 3,659万円

concierge

つまり、

変動金利 vs 全期間固定金利

  • 総返済額の差:338万円 全期間固定金利が高い
  • そのかわり全期間固定金利は金利上昇リスクがない

変動金利 vs 当初10年固定金利

  • 総返済額の差:162万円 当初10年固定金利が高い
  • そのかわり当初10年固定金利は10年間金利上昇リスクがない

当初10年固定金利vs 全期間固定金利

  • 総返済額の差:176万円 当初10年固定金利が高い
  • そのかわり全期間固定金利は全期間金利上昇リスクがない

ということがわかって、はじめて「金利タイプをどれにすれば良いのか?」決められるのです。

しかし、「金利変動リスクってどのくらのインパクトがあるのか?」も知る必要があります。

例:一番総返済額の安い住宅ローンの総返済額比較

  • 3000万円の借入
  • 2017年7月時点の金利

金利変動なし

住信SBIネット銀行 金利:0.444% 3,321万円

10年後に金利1.0%上昇

住信SBIネット銀行 金利:0.444% 3,617万円

10年後に金利2.0%上昇

住信SBIネット銀行 金利:0.444% 3,936万円

20年後に金利1.0%上昇

住信SBIネット銀行 金利:0.444% 3,427万円

20年後に金利2.0%上昇

住信SBIネット銀行 金利:0.444% 3,538万円

という結果です。

concierge

つまり、総返済額は金利変動によって下記のように変わるのです。

  • 10年後に金利1.0%上昇 +294万円
  • 10年後に金利2.0%上昇 +615万円
  • 20年後に金利1.0%上昇 +106万円
  • 20年後に金利2.0%上昇 +217万円

変動金利と固定金利の分岐点は金利が何%上昇したとき?
住宅ローン変動金利の金利上昇リスクを減らす方法

ここまで来てやっと

  • 自分にはどの金利プランが良いのか?
  • 金利が上昇するとどのくらい総返済額が上昇してしまうのか?

目星がつくのです。

後は、過去の住宅ローン金利の推移を見ながら

man
「そうは言っても、人口が減っている日本ではバブルのような好景気はこないよな。」
woman
「過去20年金利上昇していないんだから、後20年も同じじゃないの?」
man
「そろそろ金利が上昇しそうな気がする・・」

と自分なりの金利推移を予想して、最終的「どの金利タイプにすべきなのか?」決定すれば良いのです。

1986年以降の住宅ローン主要金利指標の推移

※青色の「無担保コールレート」が住宅ローン金利への相関が強い指標です。

Chart by Visualizer

注意点

金利予想は、経済の専門家でも難しいものです。

もし本当に「住宅ローンの金利が上がるのか?下がるのか?」が予想できるのであれば、FXに投資すれば巨万の富を得られるレベルです。

専門家でも正確に予想できないものですから、自分が納得いく予想で良いのです。

手順その6.決定した「金利タイプ」と「金利予想」を元に総返済額を比較する

concierge

下記シミュレーションに

住宅ローン返済シミュレーション

「借入額」「金利タイプ」「金利予想」を入力すれば、最新の金利での総返済額が安い順に住宅ローンが並びます。

その上位5位ぐらいまでが有力な住宅ローン候補として絞り込めるはずです。

woman
なぜ、上位5位まで選ぶの?1位だけでいいんじゃないの?
concierge

住宅ローンは審査に落ちる可能性もあります。

複数の候補を用意する必要があるのです。

また、金銭に換算できないサービスを提供している銀行もあります。

  • 1位の住宅ローンの総返済額:3300万円
  • 2位の住宅ローンの総返済額:3301万円 + 疾病保障付、キャンペーンで2万円プレゼント

だとしたら、2位の住宅ローンの方が良いに決まっています。

住宅ローン総返済額シミュレーション/最新金利での総返済額が安い順ランキング

年収 万円

余裕をもって返済[20%] 平均的な返済[25%] 多めの返済で大きく借りる[30%]
※[]内は返済負担率

借入期間
年収から試算した借入可能額
(借入額が決まっている方は直接借入予定の金額を入力してください。)
※借り入れ可能額は金利1.0% で試算

試算条件を自分なりにカスタマイズ

金利の変動予測
上昇 年後に %上昇する
一定
下降 年後に %下降する
金利タイプで絞り込む
すべて 当初5年固定金利
変動金利 当初10年固定金利
当初固定金利すべて 全期間固定金利

※初期設定の数字は、総務省「家計調査報告」の平均値から算出しています。

手順その7.候補の住宅ローンの「付加価値サービス」を比較する

5社程度に総返済額の安い住宅ローンを絞り込んだら

「付加価値サービス」を比較します。

consultant
有料の「付加価値サービス」は、総返済額で比較した意味がなくなってしまうので除外して考えましょう。あくまでも、無料で付帯してくれるサービスを比較します。

「付加価値サービス」には

  • 疾病保障無料
  • 介護保障無料
  • がん診断保障無料
  • 女性限定保証無料
  • 出産後1年間金利優遇
  • コントロール返済
  • 同じグループ会社のサービス割引
  • 銀行ATMサービス無料
  • 銀行振込み手数料無料
  • ポイントプレゼントキャンペーン
  • 金利優遇キャンペーン
    ・・・

などがあります。

concierge
銀行は金利引き下げ競争が限界に達しているため、独自の付加価値サービスに力を入れているので、今後も、バラエティ豊かな付加価値サービスが登場するはずです。

手順その8.同時に上位3社に申込む

候補の住宅ローンを1位~5位ぐらいまで決めたら、1位から3位ぐらいまでは同時に申込んでしまいます。

1社ずつ申込んでいると審査結果が出るまで時間がかかってしまいますし、申込んで落ちての連続は精神的にも厳しくなってしまうので

3社は同時に申込んでみることをおすすめします。

concierge
申込むために必要な情報や書類も同じものですので、できるだけ一回で複数の住宅ローンに申込んでしまった方が、手間もないのです。

合わせてこちらもチェックしておきましょう。

住宅ローン選びの落とし穴
FPがおすすめする住宅ローンランキング
FPがおすすめする借り換え住宅ローンランキング

FPが教える住宅ローン金利比較の正しい手順のまとめ

  • 手順その1.住宅ローン金利の仕組みを理解する
  • 手順その2.住宅ローン金利の種類を理解する
  • 手順その3.ネット銀行と都市銀行の諸費用の違いを理解する
  • 手順その4.住宅ローンは総返済額で比較する
  • 手順その5.総返済額を見ながら、金利タイプを決めよう!
  • 手順その6.決定した「金利タイプ」と「金利予想」を元に総返済額を比較する
  • 手順その7.候補の住宅ローンの「付加価値サービス」を比較する
  • 手順その8.同時に上位3社に申込む

です。

正しい住宅ローン金利比較の手順

覚えておいて欲しいことは

concierge

住宅ローンは選び方によって、総返済額は1000万円以上も変わってくるということです。

「1000万円高い家に住める」わけではありません。

同じマイホームなのに、選ぶ住宅ローンによって1000万円以上も高くなる可能性があるのです。

マイホームは、一生で一番高い買い物ですから

表面的に見える「金利」を比較して簡単に決めてしまうのではなく

「正しい理解」「正しい手順」で、あなたにとって一番お得な住宅ローンを探すべきです。

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