住宅ローン変動金利の金利上昇リスクを減らす方法7選

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「住宅ローンの変動金利を選びたいんだけど、金利上昇が不安」
「金利上昇リスクを減らす良い方法はないの?」

住宅ローンの変動金利はかなりの低金利ですので、総返済額をシミュレーションした方ほど、変動金利を選びたいと思うのは当然なのですが、変動金利には金利上昇リスクがついてきます。しかし、金利上昇リスクは工夫によって軽減することもできるのです。

前提

前提

住宅ローンの金利上昇リスクを減らすためには

できるだけ早く元本を減らすこと

が最大のポイントになります。

下記のシミュレーション結果では

検証パターン金利10年後金利20年後金利毎月返済額(最大)総返済額金利上昇なしとの比較全期間固定金利との比較
金利上昇なし0.50%0.50%0.50%77,876円32,707,560円+0円-9,031,354円
10年後金利1.0%上昇0.50%1.50%1.50%87,815円35,689,328円+2,981,768円-6,049,586円
20年後金利1.0%上昇0.50%0.50%1.50%83,814円33,776,399円+1,068,839円-7,962,515円
10年後金利0.5%上昇 → 20年後金利0.5%上昇0.50%1.00%1.50%85,827円34,723,782円+2,016,222円-7,015,132円
10年後金利2.0%上昇0.50%2.50%2.50%98,896円38,920,549円+6,212,989円-2,818,365円
20年後金利2.0%上昇0.50%0.50%2.50%96,525円34,895,498円+2,187,938円-6,843,416円
10年後金利1.0%上昇 → 20年後金利1.0%上昇0.50%1.50%2.50%94,329円36,861,852円+4,154,292円-4,877,062円
10年後金利3.0%上昇0.50%3.50%3.50%114,699円42,713,251円+10,005,691円+974,337円
20年後金利3.0%上昇0.50%0.50%3.50%90,031円36,064,362円+3,356,802円-5,674,552円
10年後金利1.5%上昇 → 20年後金利1.5%上昇0.50%2.00%3.50%103,389円39,122,866円+6,415,306円-2,616,048円
10年後金利4.0%上昇0.50%4.50%4.50%138,117円47,347,227円+14,639,667円+5,608,313円
20年後金利4.0%上昇0.50%0.50%4.50%107,429円37,422,030円+4,714,470円-4,316,884円
10年後金利2.0%上昇 → 20年後金利2.0%上昇0.50%2.50%4.50%113,461円41,542,312円+8,834,752円-196,602円
(比較対象)全期間固定金利2.00%2.00%2.00%99,379円41,738,914円+9,031,354円+0円

となっています。

同じ金利2.0%上昇でも

  • 10年後金利2.0%上昇 → 620万円の返済負担増
  • 20年後金利2.0%上昇 → 210万円の返済負担増
  • 10年後金利1.0%上昇、20年後金利1.0%上昇 → 410万円の返済負担増

と金利上昇のタイミングによって、返済負担の増え方が全然違うのです。

concierge
10年後よりも、20年後の方が返済が進んでいるため、元本が少ない分、20年後の金利上昇の方が返済負担が小さいのです。
変動金利の金利上昇リスクを下げる方法のベースは「できるだけ早く元本を減らすこと」

なのです。

その1.早期に繰り上げ返済をする

その1.早期に繰り上げ返済をする

元本を減らすために手っ取り早い方法が「繰り上げ返済」です。

繰り上げ返済とは

予定された返済額以上に返済をすること

を意味します。

ほとんどの銀行では

  • 繰り上げ返済手数料無料
  • 1円から繰り上げ返済可能

と、「繰り上げ返済」が利用しやすい環境が整っています。

どのくらい返済額に対する影響があるのか?

  • 住宅ローン変動金利:0.50%
  • 借入期間:35年

の場合

「期間短縮型」で繰り上げ返済すると

繰り上げ返済なし、金利上昇なし

元金:30,000,000円
利息:2,707,560円
総返済額:32,707,560円
返済期間:35年

繰り上げ返済5年目に100万円

元金:30,000,000円
利息:2,554,325円
総返済額:32,554,325円
返済期間:33年10ヶ月

繰り上げ返済5年目に200万円

元金:30,000,000円
利息: 2,402,147円
総返済額:32,402,147円
返済期間:32年7ヶ月

繰り上げ返済5年目に300万円

元金:30,000,000円
利息:2,256,663円
総返済額:32,256,663円
返済期間:31年4ヶ月

繰り上げ返済10年目に100万円

元金:30,000,000円
利息:2,580,370円
総返済額:32,580,370円
返済期間:33年10ヶ月

繰り上げ返済20年目に100万円

元金:30,000,000円
利息:2,635,125円
総返済額:32,635,125円
返済期間:33年11ヶ月

上記を見てもわかる通りで

同じ金額でも早く返済した方が利息は少なくなる

  • 繰り上げ返済なし → 2,707,560円
  • 5年目:100万円 → 2,554,325円
  • 10年目:100万円 → 2,580,370円
  • 20年目:100万円 → 2,635,125円

繰り上げ返済額は大きければ大きいほど利息は少なくなる

  • 繰り上げ返済なし → 2,707,560円
  • 5年目:100万円 → 2,554,325円
  • 5年目:200万円 → 2,402,147円
  • 5年目:300万円 → 2,256,663円

この2つの繰り上げ返済の法則

  1. 同じ金額でも早く返済した方が利息は少なくなる
  2. 繰り上げ返済額は大きければ大きいほど利息は少なくなる

を覚えて、できるだけ早期に元本を減らせれば、変動金利を選んだとしても、金利上昇リスクを抑えることができるのです。

その2.「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度を利用する

その2.「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度を利用する

住宅取得等資金の贈与税の非課税とは

父母や祖父母から贈与を受けて住宅を購入した場合、一定の金額までの贈与税が非課税になる制度のこと

です。

両親や祖父母から、住宅購入費用の援助を受ける

ということです。

住宅購入費用の援助を受ければ、それを頭金に回せるので住宅ローンで借りる金額、元本が減るのです。
concierge

「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度の良いところは、ただ元本が減るだけでなく、将来相続する予定の財産を「非課税」で贈与してもらうことが可能ですので、将来の相続税も軽減できる点にあります。

「相続財産の前借り」のようなものです。

兄弟や姉妹などがいる方は「自分だけ良いのかな?」と思ってしまう方も多いのですが、兄弟や姉妹にとっても、将来の相続税負担が減る可能性が高いのでメリットがあるのです。当然、自分が先に受け取った分は相続時には兄弟や姉妹に回さなければなりません。

その3.生命保険を減額して、その分を繰り上げ返済に回す

その3.生命保険を減額して、その分を繰り上げ返済に回す

ご家族がいる方の場合は、生命保険に加入している方も少なくないはずです。

住宅ローンは、民間銀行の住宅ローンであれば「団体信用生命保険(団信)」が付帯されています。

生命保険の保険金額を決めるときには

  • 残された遺族が生活できる金額

が基準となります。

住宅ローンを組む前は

  • 残された遺族が暮らす家の家賃(例:8万円 × 30年 = 2880万円)

を保険金額に盛り込んで計算しているはずです。

しかし、団信があれば契約者が死亡した場合に住宅ローンの残債は保険金額で支払われるので、返済は免除され、家が遺族の元に残ります。

  • 残された遺族が暮らす家の家賃は0円

で良いのです。

つまり、

住宅ローンを借りる前の生命保険の保険金額よりも、遺族の家賃分を外せることになります。
concierge
保険金額を下げれば、毎月支払う保険料も下がりますから、その分を繰り上げ返済に回せば、変動金利の金利上昇リスクを軽減することが可能になるのです。

その4.老後資金を繰り上げ返済に回す

その4.老後資金を繰り上げ返済に回す

貯金が500万円あっても、500万円全額を住宅ローンの頭金に入れる方はほとんどいないかと思います。

  • 何かあった場合に手元にお金が必要
  • いざというときのために手元にお金が必要
  • 老後資金に貯めている
  • 海外旅行に行くために貯めている
  • 独立するために貯めている
    ・・・

理由は様々だと思いますが、貯金から繰り上げ返済に回す金額を増やすという判断も必要になります。

明確に目的が決まっていて貯金している方

→ 無理に繰り上げ返済に回す必要はありません。目的達成を重視すべきです。

目的はなく、不安だから貯金している方

→ 金額にもよりますが、多少繰り上げ返済の割合を増やして金利上昇リスクを軽減することも安心につながります。

concierge
とくに「老後資金」として貯金をしているのであれば、繰り上げ返済に回して早期完済した方が支払利息は減るので「老後資金」は貯まりやすくなります。

その5.購入する物件の予算を下げる

その5.購入する物件の予算を下げる

住宅ローンで言えば、年収の6倍が一つの借りられる目安となっています。

年収500万円 → 3000万円の借入が可能

ということです。

しかし、この3000万円の物件購入予算が2500万円に減らせれば、住宅ローンの借入額も下がり、変動金利を選んでも、金利上昇リスクを軽減することができます。

  • 値切り交渉をしてみる
  • 都心から少し離れる
  • 戸建てからマンションに切りかえる
  • 中古物件を検討する
  • 家具の購入予算を引き下げる
    ・・・

など

購入予算を減らすことで、低金利の変動金利を選び、金利上昇リスクを回避して、浮いた利息軽減分と購入予算分は、生活を充実させることに使う

という選択肢もあるのです。

その6.無駄な資産運用はしない

その6.無駄な資産運用はしない

個人でも

  • 株式投資
  • 投資信託
  • 国債
  • 外貨預金
  • 定期預金
  • FX
  • 不動産投資
    ・・・

など、資産運用をしている方も多いかと思います。

すべての資産運用を停止して、繰り上げ返済に回せということではありません。

しかし、

住宅ローンの変動金利の相場:年率0.5%

です。

年率0.5%以下の資産運用商品であれば、住宅ローンの繰り上げ返済の方が良い

ということになります。

  • 定期預金
  • 外貨預金
  • 国債
  • 投資信託

であれば、年率0.5%を切るものも多いのではないでしょうか。

concierge

住宅ローンの繰り上げ返済の方が、投資効率の高い資産運用商品とも言えるのです。

金利が上昇すれば尚更、住宅ローンの繰り上げ返済の方が良い資産運用商品になるのです。

その7.金利上昇の気配があれば、固定金利に借り替える

その7.金利上昇の気配があれば、固定金利に借り替える

はじめは金利上昇のリスクはないと思っていても、時間が経過することで

man
「あれっ、だんだん景気が回復していないか?このままだと金利がさらに上昇するかもしれない。」

と感じたときには

変動金利 → 固定金利

への借り換えを検討するのも、金利上昇リスクを回避する一つの方法です。

注意しなければならないのは

金利が上昇してから、固定金利に借り替えるのでは遅い

ということです。

concierge

変動金利も、固定金利も、基準となる金利は同じように上昇します。

そのため、変動金利が上昇してから借り替えようとしても、そのときには固定金利はもっと高金利になっているのです。

変動金利の金利が上昇してから、固定金利に借り換え → ×
変動金利の金利が上昇する前に、固定金利に借り換え → ○

なのです。

景気回復の指標になるものは

  • 景気動向指数
  • 消費者物価指数

などの政府が発表するものもありますが、具体的なものよりも

  • 周りの友人の給料が上がっている。
  • うちの会社も採用を増やしたようだ。
    ・・・

というような雰囲気の方が事前に景気回復をキャッチするためには重要になります。

concierge
常に、景気動向に対するアンテナを張っておいて、景気回復の気配を感じたときには、すぐに固定金利に借り替えることで、変動金利の金利上昇リスクを回避することができます。

ソニー銀行の住宅ローンのように

  • 金利発表が半月前
  • いつでも変動から固定に切り替えられる

という金利タイプの切りかえに適した住宅ローンもあります。

まとめ

住宅ローン変動金利の金利上昇リスクを回避・軽減する方法には

  1. 早期に繰り上げ返済をする
  2. 「住宅取得等資金の贈与税の非課税」制度を利用する
  3. 生命保険を減額して、その分を繰り上げ返済に回す
  4. 老後資金を繰り上げ返済に回す
  5. 購入する物件の予算を下げる
  6. 無駄な資産運用はしない
  7. 金利上昇の気配があれば、固定金利に借り替える

というものがあります。

ベースは

金利が上昇する前に、できるだけ早く元本を減らすこと

と考えて良いでしょう。

元本が小さくなっていれば、金利が上昇しても、返済額の上昇幅は小さくできるのです。
concierge
「繰り上げ返済」がメインの手法になりますが「そもそも借りる金額が適正なのか?」「もっと、安い物件でも良いのでは?」「背伸びしていないのか?」など、当初の物件購入予算も見直せるのであれば、見直してみると良いでしょう。物件巡りをしている間に気が大きくなってしまう方も少なくないのです。