【保存版】住宅ローンの変動金利を選ぶ前に最低限知っておくべき仕組み・リスク・金利推移・比較方法

woman
「一番低金利なんだから、変動金利にすればいいんじゃないの?」
「変動金利で金利が上がるリスクは」
「変動金利で一番おすすめの住宅ローンはどれ?」
・・・

いざ、住宅ローンを比較検討している段階で「変動金利がいいかも?」と思っても、「本当に変動金利で良いのか?」不安を感じている方も少なくないはずです。今回は、変動金利を選ぶ前にこれだけは知っておいてほしい「仕組み・リスク・金利推移・比較方法」をFPが解説します。

住宅ローン変動金利理解度チェック

この質問に回答できない方は、最後まで読んでいただいてから、変動金利を選ぶことをおすすめします。

concierge
「変動金利は何に連動して金利が変動するのか、わかりますか?」
「20年前の変動金利は何%だったか、わかりますか?」
「変動金利は金利上昇に制限があることを知っていますか?」
「変動金利という名称で、変動金利じゃない住宅ローンがあるのを知っていますか?」
「万が一、金利が予想以上に上昇したら、どうするべきか考えていますか?」

実際、この質問に明確に答えられる方はFPの中にも、そうはいないと思います。一つずつ丁寧に解説していきます。

住宅ローンの変動金利のおさらい

住宅ローンの変動金利とは

住宅ローンを借りてから、定期的に金利が見直しされる(金利が変動する)金利タイプのこと

を言います。

金利変動のルールは

  1. 半年に2回(6月、12月が多い)金利の見直しが行われる
  2. 5年間で返済額は最高でも125%までしか上昇させない

という2点があります。

例:住信SBIネット銀行の変動金利のルール/2017年8月時点

例:住信SBIネット銀行の変動金利のルール/2017年8月時点 例:住信SBIネット銀行の変動金利のルール/2017年8月時点

金利見直しルール

お借入後の金利は、毎年4月1日、10月1日の三井住友信託銀行の短期プライムレ ートを基準として年2回金利の見直しを行い、6月、12月の約定返済日の翌日からそ れぞれ新しい金利の適用となります。ただし、基準金利が大幅に変動した場合には、それ以外の日に適用している金利を見直すことがあります。

返済額上限ルール

月々のご返済額は、お借入後5回目の10月1日を基準日とする金利の見直し時に、前回のご返済額の125%を限度に見直しいたします。(以降、5年ごとに金利の見直しにあわせ、前回のご返済額の125%を限度としてご返済額を見直します。) 金利情勢等により、当初の借入期間が終了しても未返済残高が生じる場合があります。この場合、原則として期日に全額返済していただきますが、全額返済が困難な場合には期日までにお申出ください。

woman
「えっ、どうやって金利が変動するの?」
concierge
銀行が決める基準金利に連動して、変動金利が変動します。

基準金利とは

住宅ローンの「定価」のようなもので、銀行は住宅ローンの基準金利「定価」から、引き下げ幅「値引」をして、適用金利「販売価格」を決定します。

変動金利の場合、引き下げ幅「値引」は銀行によって決まっているので、銀行が決める基準金利「定価」が変動すると、変動金利も変動するのです。

例:住信SBIネット銀行/2017年8月時点

例:住信SBIネット銀行/2017年8月時点
  • 変動金利の基準金利:2.775%
  • 金利引き下げ幅:-2.331%
  • 変動金利:0.444%

となります。

woman
「じゃあ、基準金利はどうやって変動するの?」
concierge
銀行が決める基準金利には「無担保コールレート」に連動します。

「無担保コールレート」とは

銀行同士でお金を融通し合う時の1日の金利のこと

です。銀行も、日々運用しているお金が余ったり、足りなくなったりするので、銀行間で貸し借りするのです。

woman
「じゃあ、無担保コールレート」はどうやって変動するの?」

無担保コール市場では、需給バランスと日銀によって金利が変動します。お金を借りたい銀行の方が多かったら、貸す人の方が有利なので金利は高く設定できます。お金を貸したい銀行の方が多かったら、借りたい人の方が有利なので金利は低くなるのです。

ここに日銀というプレイヤーも割り込んできます。日銀は政府の意向を受けて

  • 不景気
    → お金をどんどん市中に供給して、企業活動を活性化し、好景気にしなければならない。
    → 貸す人が多くなるから「低金利」になる
  • 好景気
    → お金をどんどん市中から回収して、バブルにならないようにインフレを抑制しなければならない。
    → 借りる人が多くなるから「高金利」になる

のです。

日銀は、景気の調整弁の役割をするため、日銀とその裏にいる政府の意向によって、お金の出し入れをしているのです。

つまり、

住宅ローンの変動金利は

  • 好景気 → 低金利
  • 不景気 → 高金利

と簡単していれば良いのです。

2017年現在は、不景気が続いています。

住宅ローンの主要金利指標の推移を見てみると

住宅ローン主要金利指標の推移

となっています。

青色の無担保コールレートの推移を見てみると、今は0%、もしくはマイナスになっているのに対して、1990年台のバブル時代には「8.0%」を超える高金利になっているのです。

concierge
この時代は住宅ローンの変動金利も8.0%台だったのです。
つまり、今後、バブル時代並の好景気になったら、「住宅ローンの変動金利は8.0%になってもおかしくない。」ということを意味しています。

住宅ローンの変動金利を選ぶときに覚えておくべきポイント

住宅ローンの変動金利は「景気」に連動する

  • 好景気 → 低金利
  • 不景気 → 高金利
concierge
不景気の今(2017年8月)は0.5%前後、好景気のバブル時代の絶頂期は8.0%前後の金利だったため、その範囲内で上下する可能性が高いということです。

住宅ローンの変動金利のリスクをどう捉えるべきなのか?

concierge

「住宅ローン金利が8.0%に上がるかも・・・」とさんざん脅してしまいましたが、実際どのくらいのリスクを考えておけば良いのでしょうか?

未来の金利を100%確実に予想することはできませんが、筆者個人の考え方では、いくつかの視点で考える必要があると思っています。

人口が減る超高齢化社会でバブル期のような好景気になる可能性は非常に低い!

日本の人口推移

日本の人口推移

出典:総務省「国勢調査」

これを見るとわかる通りで

1990年代のバブル期は「生産年齢人口(15歳~64歳)」がピークのときです。

人口減少と同時に超高齢化社会が加速するため、「生産年齢人口(15歳~64歳)」がどんどん減少してくことがわかります。

出生率が上がれば回復するかもしれませんが、現時点ではこの予想通りに推移すると考えられます。

働ける人が減るのですから、経済活動も比例して減少してしまうため、景気を回復させるのはかなり難しいことなのです。
concierge
一時的に景気が回復することはあると思いますが、バブル時代のような好景気にはならないでしょう。

今の超低金利は、終わりが見えている!?

2017年8月現在の住宅ローン変動金利は、0.50%という超低金利になっています。

「なぜ、こうなっているのか?」というと

concierge
日銀が銀行や保険会社が保有している国債をガンガン購入することで、市中にお金を増やす政策(量的金融金融緩和)を行っているので、必然的に貸す人が多く、借りる人が少なくなるため、ローン金利は低金利になっているのです。

しかし、日銀は年間約100兆円のペースで国債を買いまくっています。

年月日銀民間銀行政府社会保障基金
2014年1Q18.7%65.2%3.7%8.1%4.3%
2014年2Q20.0%64.5%3.8%7.8%3.9%
2014年3Q21.4%63.3%4.4%7.4%3.5%
2014年4Q23.3%61.4%4.7%6.5%4.1%
2015年1Q25.3%60.0%4.9%6.1%3.7%
2015年2Q27.5%58.5%4.6%6.0%3.4%
2015年3Q29.6%56.3%5.0%5.9%3.2%
2015年4Q31.4%54.5%5.2%5.8%3.1%
2016年1Q33.1%53.0%5.4%5.5%3.0%
2016年2Q34.8%51.3%5.7%5.4%2.8%
2016年3Q36.5%49.5%5.9%5.3%2.8%
2016年4Q38.4%47.9%5.8%5.2%2.7%
2017年1Q40.0%46.2%5.8%5.2%2.8%

国債の4割を日銀が持つようになってしまったのです。

2018年末にはこの割合は6割に達すると予測されています。

当然、この国債をガンガン購入することで、市中にお金を増やす政策(量的金融金融緩和)を続けることはできるはずがなく、遅かれ早かれ終わりが訪れるのです。

日銀が国債買入れを止めれば金利は上昇します。