と、住宅ローンの借り換えでどうやって銀行を選べば良いかわらかないという方も少なくありません。今回は、住宅ローン借り換え比較の正しい手順と注意点について解説します。
住宅ローン借り換え比較の正しい手順
手順その1.現在、借り入れ中の住宅ローンの状況を再度確認する
まずは、現在借り入れ中の住宅ローンの状況について正確に把握することが必要になります。借りる時は、細かく数字を覚えているものですが、数年経過してしまえば、勝手に引き落とされる住宅ローンの返済額ですら、覚えていない人が少なくないのです。
確認すべき項目
- 金利タイプ
- 適用金利
- ローン残高
- 毎月の返済額
- 完済年月
手順その2.借り換え先の住宅ローン金利との金利差が0.3%以上あるかを確認する
一般的には
計算になります。
極端な言い方をすれば
ということになります。
あくまでも、その月は借り換えメリットを計算したとしても、ムダになる可能性が高いということです。
当然、来月、再来月は金利がさらに低下して、金利差が0.3%を超える可能性もあります。その場合には、そのとき借り換えを検討すればよいのです。
手順その3.借り換えメリットを計算する
借り換えメリットとは
現在借り入れ中の住宅ローンのローン残高
+ 借り換えにかかる諸費用
- 借り換え先候補の住宅ローンの総返済額
で計算されます。
簡単に言えば
です。
借り換えメリットの簡単な計算方法
借り換えメリットを簡単に計算するためには、シミュレーションツールを利用しましょう。ご自身で計算することもできますが、それなりに複雑な計算になってしまうため、シミュレーションツールを利用した方が簡単です。
手順その4.借り換えメリットから、「手間コスト」を引いて、真の借り換えメリットを計算する
住宅ローンの借り換えは、新規借り入れ時と同じ契約をすることになります。
- 申込
- 仮審査
- 本審査
- 必要書類の提出
- 契約
- 登記
- 融資
・・・
です。借り換えを検討しているということは、新規借り入れのときに一度は住宅ローンの契約業務をしたことがあると思います。
非常に面倒くさいし、役所に行くなど時間がかかるものです。
私だったら、
「たった1万円のために、何度も書類を提出して、申込書を書いてのやり取りが嫌だな。」
と思います。これが多数はではないでしょうか。
「手間コスト」は、人によって違うので
と考えて、「だいたいこのくらい」と想定すれば良いかと思います。
手順その5.「真の借り換えメリット」がプラスなら借り換え実行
「借り換えメリット」から、「手間コスト」を除いて、「真の借り換えメリット」が計算できます。
現在借り入れ中の住宅ローンのローン残高
+ 借り換えにかかる諸費用
- 借り換え先候補の住宅ローンの総返済額
- 手間コスト
を検討しましょう。
手順その6.借り換え先候補の住宅ローンに申し込み
「真の借り換えメリット」がプラスになる住宅ローンは、1つの銀行の可能性もあれば、10社の銀行が該当する可能性もあります。
まずは、借り換え条件をクリアしている住宅ローンの中で、上位3つの候補をピックアップし、申込みましょう。
住宅ローンの「付加価値サービス」 には
- 疾病保障無料
- がん保障無料
- 介護保障無料
- 優待店舗で○%OFF
- 女性金利優遇
- 何度でも、変動金利と固定金利の切り替えが可能
- 家事代行サービス
- 病児保育サービス
- コントロール返済
・・・
など、様々なものがあります。
これらは、人によって重要度が違うため、画一した数値で評価することができません。
住宅ローン借り換え比較の注意点
金利タイプの違いに注意が必要!
一番気を付けなければならないのは「金利タイプ」です。
同じ金利タイプへの借り換えであれば、上記の手順で問題はありません。
- 変動金利 → 変動金利
- 全期間固定金利 → 全期間固定金利
しかし、
- 当初固定金利 → 変動金利
- 全期間固定金利 → 変動金利
- 全期間固定金利 → 当初固定金利
という借り換えのパターンの場合は、問題があります。
- 当初固定金利
- 全期間固定金利
というのは
です。
つまり、
- 当初固定金利 → 変動金利
- 全期間固定金利 → 変動金利
- 全期間固定金利 → 当初固定金利
という借り換えで金利が低くなるのは、当然のことなのです。
そのまま、借り換えをしてしまうと
ことを意味しています。
元々、金利が高いことを了承して、「金利上昇リスクの回避」というメリットを享受していたのに
借り換えメリットの代わりに、「金利上昇リスクの回避」というメリットを手放す
というのは、本末転倒なのです。
しかしながら
と考え方が変わるケースもあります。
借り換えメリットの計算は定期的にするべき
新規借入時は、物件を購入するのですから、「いつまでに融資が下りなければならない。」というリミットがあります。
しかし、借り換えはいつでもできるのです。
- 借り換えメリットがマイナス → 見送り
となっても、
- 半年後には、さらに低金利になって、借り換えメリットがプラスになる
ということも、往々にして起こりうるのです。
おすすめは
- 半年後ごとにチェックする
- 大きなニュースが発生して金利低下が騒がれたらそのタイミングでチェックする
です。
借り換えはそれほど慎重に考える必要はない!
前述した通りで
- 借り換えは、しなくても、マイナスな面はない。
- いつでも借り換えをすることはできる
という特徴があります。
さらに
- 借り換えというのは、何度でもできるのです。
借り換え先の銀行の審査さえ通れば
3回でも、4回でも、10回でも、借り換えは実行できるのです。
と、保留する必要がないのです。
当然、このケースでは、2回借り換えが発生するので、諸費用が2回発生する分、待って待って1回借り換えした方がコストメリットはありますが、金利が今以上に下がることは約束されていないのです。
だとすれば、借り換えメリットがあるうちに、借り換えしてしまって、さらに金利が下がるならもう一度借り換えの方が賢い考え方と言えるのです。
借り換えでおすすめの住宅ローンはこちら
現在借り入れ中の住宅ローンの銀行には借り換えの相談をしない。
住宅ローンの借り換えというのは
現在借り入れ中の住宅ローン
- A銀行:3,000万円
という借り換えがあった場合に
新たにB銀行に住宅ローンを申込んで
- B銀行から3,000万円を借りる
- 3,000万円でA銀行のローン残債を完済する
- 債務がA銀行から、B銀行に移る
ことを言います。
現在借り入れ中のA銀行の立場から見れば
完済してもらっただけ。
ですので、借り換えを拒否することはできないのです。
拒否することはできないのですから、借り換えを実行するケースで、現在借り入れ中の住宅ローンの銀行に話をするのは、借り換え先との契約後でも構わないのです。
借り換えの検討時に現在借り入れ中の住宅ローンのA銀行に下記のように相談してしまうと
A銀行の担当者は
と切り返してくる可能性があります。
A銀行の立場でみれば
というのが本音です。
金利を多少優遇してくれるかもしれませんが、借り換えした方がメリットが大きい可能性が高いので、現在借り入れ中の住宅ローンの銀行には何も言うべきではないのです。
住宅ローン借り換えの相談は絶対にしない!百害あって一利なしの理由
金利上昇リスクが高まったときは、借り換えメリットマイナスでも借り換えの余地あり!?
金利上昇リスクが高まった場合には
- 変動金利 → 当初固定金利
- 変動金利 → 全期間固定金利
という金利タイプでの借り換えも検討する価値があります。
ベースの金利は、変動金利よりも、当初固定金利や全期間固定金利の方が高金利ですので、この場合は、ほとんどが
借り換えメリットがマイナス(損をする)
計算になります。
しかし、その代わりに「金利上昇リスクの回避」というメリットが享受できるのです。
ニュースなどを見ていて
と不安を感じているのであれば
多少、損をしたとしても
- 変動金利 → 当初固定金利
- 変動金利 → 全期間固定金利
へ借り換えをするという判断も、賢い判断と言えるのです。
当サイトの借り換えメリットシミュレーションでは、金利上昇時の借り換えメリットも計算できます。
金利上昇を加味すれば
- 変動金利 → 当初固定金利
- 変動金利 → 全期間固定金利
の借り換えの方が借り換えメリットが大きくなるケースも、考えられるのです。
まとめ
住宅ローン借り換え比較の正しい手順
- 手順その1.現在、借り入れ中の住宅ローンの状況を再度確認する
- 手順その2.借り換え先の住宅ローン金利との金利差が0.3%以上あるかを確認する
- 手順その3.借り換えメリットを計算する
- 手順その4.借り換えメリットから、「手間コスト」を引いて、真の借り換えメリットを計算する
- 手順その5.「真の借り換えメリット」がプラスなら借り換え実行
- 手順その6.借り換え先候補の住宅ローンに申し込み
住宅ローン借り換え比較の注意点
- 金利タイプの違いに注意が必要!
- 借り換えメリットの計算は定期的にするべき
- 借り換えはそれほど慎重に考える必要はない!
- 現在借り入れ中の住宅ローンの銀行には借り換えの相談をしない。
住宅ローン借り換え比較のポイントは
「借り換えメリット」で比較する
という点です。
- 「借り換えメリット」が大きければ → 借り換え実行
- 「借り換えメリット」が小さく(手間の方が大きい)と判断するなら → 借り換え見送り
といったシンプルなものです。
単純に数値化できる「借り換えメリット」で比較検討しながらも
- 手間コスト
- 金利上昇リスク
- 付加価値サービス
といった、人によって評価が変わってくる比較要素も加味して、最終的な借り換え実行の判断をしましょう。
「借り換え先の住宅ローンをどう比較検討すれば良いのか?わからない。」
「借り換えで住宅ローンを選ぶポイントを教えてください。」