という方も少なくありません。今回は住宅ローン控除(住宅ローン減税)のシミュレーションサイト、シミュレーションサイトの使い方を解説します。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)のシミュレーションの流れ
- 所得税・住民税を計算する
- 住宅ローンの内容から住宅ローン控除(住宅ローン減税)を計算する
- すまい給付金を計算する
ことで
- 住宅ローン控除(住宅ローン減税)でいくら税金が安くなるのか?
- すまい給付金がいくら受け取れるのか?
が計算できます。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)のシミュレーション「住宅ローンの内容から住宅ローン控除(住宅ローン減税)を計算する」
まずは所得税・住民税を計算する必要があります。
方法としては
- 源泉徴収票を見て自分で計算する
- 確定申告書を見て自分で計算する
- 所得税・住民税のシミュレーションサイトを利用して計算する
という方法があります。
今回は
- 所得税・住民税のシミュレーションサイトを利用して計算する
を選択しました。
おすすめの所得税・住民税のシミュレーションサイト
試算条件
- 年収:500万円
- 家族:妻(専業主婦)・子供2人(16歳、10歳)
- 医療費:15万円
手順その1.給与収入を入力する
給料収入を入力すると、自動的に「給与所得控除」が引かれて、「総所得金額」が計算されます。
手順その2.各種控除を入力する
「扶養控除」を入力します。16歳以上の子供がいるので1名と入力します。
「配偶者控除」を入力します。専業主婦なのでチェックを入れます。
「医療費控除」を入力します。
「生命保険料控除」を入力します。
「地震保険料控除」を入力します。
「扶養控除」「配偶者控除」「医療費控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」は、個別の情報を入力すれば、自動的に入力されます。
入力されていない「社会保険料控除」「その他控除」を入力します。
手順その3.「課税所得」「所得税」「住民税」が計算される
「課税所得」「所得税」「住民税」が計算されます。
- 課税所得(所得税):1,940,000円
- 課税所得(住民税):2,127,000円
- 所得税:97,000円
- 復興特別所得税:2,037円
- 住民税:215,100円
住宅ローン控除(住宅ローン減税)のシミュレーション「所得税・住民税を計算する」
当サイトの住宅ローンシミュレーションツールで計算できます。
試算条件
- 借入額:3,000万円
- 借入期間:35年
- 金利:1.0%
- 金利タイプ:固定金利
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス返済:なし
手順その1.「借入額」「返済期間」「返済方法」「ボーナス払い」「借入開始月」を入力する
「借入額」「返済期間」「返済方法」「ボーナス払い」「借入開始月」します。「借入開始年月を設定する」にチェックを入れます。
手順その2.「借入金利(%)」を入力する
「借入金利(%)」を入力します。
手順その3.「住宅ローン控除居住年度設定」を入力する
「住宅ローン控除居住年度設定」を選択します。2018年は平成30年ですので、「平成26年度4月~33年度12月(2014年4月~)一般住宅」を選択します。
手順その4.「シミュレーション実行」ボタンを押す
「シミュレーション実行」ボタンを押します。
手順その5.「住宅ローン最大控除額」が計算される
「住宅ローン最大控除額」が計算されます。
年 | 元金残高 | 最大控除額 |
---|---|---|
2018年 | 29,760,960 | 297,609 |
2019年 | 29,039,038 | 290,390 |
2020年 | 28,309,867 | 283,098 |
2021年 | 27,573,370 | 275,733 |
2023年 | 26,829,473 | 268,294 |
2023年 | 26,078,102 | 260,781 |
2024年 | 25,319,186 | 253,191 |
2025年 | 24,552,646 | 245,526 |
2026年 | 23,778,405 | 237,784 |
2027年 | 22,996,386 | 229,963 |
合計 | - | 2,642,369 |
住宅ローン控除(住宅ローン減税)というのは
になるため、返済が進むと住宅ローン年末残高も徐々に下がってくるので、住宅ローン控除(住宅ローン減税)の最大控除額も下がっていくのです。
手順その6.「所得税」「住民税」から実際の住宅ローン控除(住宅ローン減税)の控除額を計算する
「住民税」からは、控除上限額13.65万円まで控除することができます。
2018年の場合
- 所得税:97,000円 < 297,609円
- 所得税:全額控除可能 → 0円
(余り = 297,609円 - 97,000円 = 200,609円)
※「復興特別所得税額」は「基準所得税額 × 2.1%」で計算されます。住宅ローン控除(住宅ローン減税)を使えば、「基準所得税額」も0円になるため、「復興特別所得税額」も0円になるのです。
- 住民税の最大控除額:136,500円 < 所得税控除余り:200,609円
- 住民税:215,100円 - 136,500円 = 78,600円
という計算になるのです。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は10年間継続するので、「収入が変わらない」と仮定すると
– | 控除前 | 住宅ローン減税額 | 控除後 | – | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 元金残高 | 最大控除額 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 減税効果 |
2018年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 29,760,960 | 297,609 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2019年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 29,039,038 | 290,390 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2020年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 28,309,867 | 283,098 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2021年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 27,573,370 | 275,733 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2023年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 26,829,473 | 268,294 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2023年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 26,078,102 | 260,781 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2024年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 25,319,186 | 253,191 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2025年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 24,552,646 | 245,526 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2026年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 23,778,405 | 237,784 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2027年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 22,996,386 | 229,963 | 0 | 0 | 82,137 | 232,000 |
合計 | – | – | – | – | 2,642,369 | – | – | – | 2,351,833 |
と計算することができるのです。
この方の場合は、控除が多く、所得税額が小さかったため、住宅ローン減税額がすべて使い切れていないことになります。
この不公平を回避するために「すまい給付金」が作られました。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)のシミュレーション「すまい給付金を計算する」
すまい給付金サイトの「すまい給付金かんたんシミュレーション」を利用します。
手順その1.指定された情報を入力する
- 取得時の消費税率:8%
- 所有権:1人
- 住宅ローンの利用:有
- 年収500万円
- 扶養家族:2名(専業主婦と16歳以上の子供1名)
手順その2.給付額が計算される
- 給付額:20万円
と表示されました。
まとめ
今回の住宅ローン控除(住宅ローン減税)シミュレーション方法では
所得税・住民税を計算する
所得税:97,000円
復興特別所得税:2,037円
住民税:215,100円
住宅ローンの内容から住宅ローン控除(住宅ローン減税)を計算する
– | 控除前 | 住宅ローン減税額 | 控除後 | – | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 元金残高 | 最大控除額 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 減税効果 |
2018年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 29,760,960 | 297,609 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2019年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 29,039,038 | 290,390 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2020年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 28,309,867 | 283,098 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2021年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 27,573,370 | 275,733 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2023年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 26,829,473 | 268,294 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2023年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 26,078,102 | 260,781 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2024年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 25,319,186 | 253,191 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2025年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 24,552,646 | 245,526 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2026年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 23,778,405 | 237,784 | 0 | 0 | 78,600 | 235,537 |
2027年 | 97,000 | 2,037 | 215,100 | 22,996,386 | 229,963 | 0 | 0 | 82,137 | 232,000 |
合計 | – | – | – | – | 2,642,369 | – | – | – | 2,351,833 |
すまい給付金を計算する
20万円
合計すると
というシミュレーション結果になっています。
簡単にシミュレーションできたのではないでしょうか。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)早見表
前述した条件で年収のみ変動させると
年収:400万円
所得税:57,000円
復興特別所得税:1,197円
住民税:130,100円
– | 控除前 | 住宅ローン減税額 | 控除後 | – | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 元金残高 | 最大控除額 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 減税効果 |
2018年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 29,760,960 | 297,609 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2019年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 29,039,038 | 290,390 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2020年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 28,309,867 | 283,098 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2021年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 27,573,370 | 275,733 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2023年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 26,829,473 | 268,294 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2023年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 26,078,102 | 260,781 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2024年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 25,319,186 | 253,191 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2025年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 24,552,646 | 245,526 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2026年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 23,778,405 | 237,784 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
2027年 | 57,000 | 1,197 | 130,100 | 22,996,386 | 229,963 | 0 | 0 | 0 | 188,297 |
合計 | – | – | – | – | 2,642,369 | – | – | – | 1,882,970 |
すまい給付金:30万円
年収:600万円
所得税:176,500円
復興特別所得税:3,706円
住民税:130,100円
– | 控除前 | 住宅ローン減税額 | 控除後 | – | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 元金残高 | 最大控除額 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 減税効果 |
2018年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 29,760,960 | 297,609 | 0 | 0 | 173,991 | 298,806 |
2019年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 29,039,038 | 290,390 | 0 | 0 | 181,210 | 291,587 |
2020年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 28,309,867 | 283,098 | 0 | 0 | 188,502 | 284,295 |
2021年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 27,573,370 | 275,733 | 0 | 0 | 195,867 | 276,930 |
2023年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 26,829,473 | 268,294 | 0 | 0 | 203,306 | 269,491 |
2023年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 26,078,102 | 260,781 | 0 | 0 | 210,819 | 261,978 |
2024年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 25,319,186 | 253,191 | 0 | 0 | 218,409 | 254,388 |
2025年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 24,552,646 | 245,526 | 0 | 0 | 226,074 | 246,723 |
2026年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 23,778,405 | 237,784 | 0 | 0 | 233,816 | 238,981 |
2027年 | 176,500 | 1,197 | 295,100 | 22,996,386 | 229,963 | 0 | 0 | 241,637 | 231,160 |
合計 | – | – | – | – | 2,642,369 | – | – | – | 2,654,339 |
すまい給付金:0円
年収:700万円
所得税:288,500円
復興特別所得税:6,058円
住民税:379,100円
– | 控除前 | 住宅ローン減税額 | 控除後 | – | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
年 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 元金残高 | 最大控除額 | 所得税 | 復興所得税 | 住民税 | 減税効果 |
2018年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 29,760,960 | 297,609 | 0 | 0 | 369,991 | 303,667 |
2019年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 29,039,038 | 290,390 | 0 | 0 | 377,210 | 296,448 |
2020年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 28,309,867 | 283,098 | 0 | 0 | 384,502 | 289,156 |
2021年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 27,573,370 | 275,733 | 0 | 0 | 391,867 | 281,791 |
2023年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 26,829,473 | 268,294 | 0 | 0 | 399,306 | 274,352 |
2023年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 26,078,102 | 260,781 | 0 | 0 | 406,819 | 266,839 |
2024年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 25,319,186 | 253,191 | 0 | 0 | 414,409 | 259,249 |
2025年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 24,552,646 | 245,526 | 0 | 0 | 422,074 | 251,584 |
2026年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 23,778,405 | 237,784 | 0 | 0 | 429,816 | 243,842 |
2027年 | 288,500 | 6,058 | 379,100 | 22,996,386 | 229,963 | 0 | 0 | 437,637 | 236,021 |
合計 | – | – | – | – | 2,642,369 | – | – | – | 2,702,949 |
すまい給付金:0円
年収が上がれば上がるほど、住宅ローン控除(住宅ローン減税)控除の減税額が使い切れることがわかります。
その代わり「すまい給付金」は少なくなっていきます。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)シミュレーション時の注意点
その1.住民税を控除しても、使い切れない分はなくなってしまう!
今回の試算条件のような方の場合
控除が多く、所得税がはじめから低額なため
- 住宅ローン控除額 > 所得税
- 所得税控除余り > 住民税控除上限(13.65万円)
で「住民税の上限よりも、余ってしまう」というケースは良くあります。
「住民税控除あまり」は、繰越もできませんし、他の税金から控除することもできずに消えてしまいます。
その2.計算時点では今後10年間の給与所得を予想することはできないため、控除額は変動する
当然ですが
今後10年間の給与は予想することができません。
つまり、所得税も、上下に変動してしまうので、ここでシミュレーションした結果通りになるわけではありません。
その3.住宅ローン控除(住宅ローン減税)に給料がなくなる動きはもったいない!
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は
- 所得税
- 住民税
から控除されるものです。
所得税も、住民税も、基本的には「所得」に対して課税されます。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)される10年間は、大幅に「所得」が減る動き
- 退職
- 休職
- 独立
- 給料が大幅に減る転職
・・・
をすると、その分住宅ローン控除(住宅ローン減税)が使えなくなってしまうので、もったいないことになります。
まとめ
住宅ローン控除(住宅ローン減税)のシミュレーションの流れ
- 所得税・住民税を計算する
- 住宅ローンの内容から住宅ローン控除(住宅ローン減税)を計算する
- すまい給付金を計算する
ことで
- 住宅ローン控除(住宅ローン減税)でいくら税金が安くなるのか?
- すまい給付金がいくら受け取れるのか?
が計算できます。
所得税・住民税を計算する
- 手順その1.給与収入を入力する
- 手順その2.各種控除を入力する
- 手順その3.「課税所得」「所得税」「住民税」が計算される
住宅ローンの内容から住宅ローン控除(住宅ローン減税)を計算する
- 手順その1.「借入額」「返済期間」「返済方法」「ボーナス払い」「借入開始月」を入力する
- 手順その2.「借入金利(%)」を入力する
- 手順その3.「住宅ローン控除居住年度設定」を入力する
- 手順その4.「シミュレーション実行」ボタンを押す
- 手順その5.「住宅ローン最大控除額」が計算される
- 手順その6.「所得税」「住民税」から実際の住宅ローン控除(住宅ローン減税)の控除額を計算する
すまい給付金を計算する
- 手順その1.指定された情報を入力する
- 手順その2.給付額が計算される
「住宅ローン控除(住宅ローン減税)のシミュレーションサイトを教えてほしい。」